1994 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞抗原AA4.1のcDNAクローニングおよび抗ヒトAA4.1抗体の樹立
Project/Area Number |
06454618
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
大滝 幸哉 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (00001917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 誠司 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (30253842)
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Research Abstract |
特異的抗体が流布していないことや精製の困難性から、AA4.1抗原分子の生化学的性状も組織内局在もいまだに全く報告されていない。我々はまずラットモノクローナル抗体を使ったaffinity column chromatographyを利用してマウスAA4.1抗原蛋白質の精製を試みた。しかし、抗体の認識する抗原がAA4.1抗原分子の糖鎖部分にあり、膜蛋白質を精製する過程でこのモノクローナル抗体と抗原との結合性が失われるために精製効率が極めて低く、アミノ酸配列情報を得るまでには至らなかった。そこで、各種の界面活性剤を用いて膜蛋白質の可溶化に最適な界面活性剤を選択した。1% digitoninで可溶化された細胞膜糖蛋白質より抗原精製条件の最適化に成功し、マウスAA4.1抗原部分アミノ酸配列を明らかにした。このアミノ酸配列情報を参考にしてひとつのoligonucleotide DNA probeを化学合成し、AA4.1抗原陽性細胞株mRNAから作製したλZAPcDNAライブラリー(6X10^7クローン)をスクリーニングした。しかし、陽性クローンは得られず、さらにstringencyを下げてライブラリーを再スクリーニングしたが得られたクローンは全て非特異的クローンであることが明らかとなった。特異クローンの得られなかった原因を追究した結果、cDNAライブラリーには問題なく、oligonucleotide DNA probeが不適当という結論に達した。そこで大量の培養細胞からAA4.1抗原蛋白質を再度精製し、cDNAライブラリーを再スクリーニングするための別のDNA probeを3種合成した。目下、ノザンブロットでDNAprobeを評価しているところであり、選別した複数のDNA probeでλZAPcDNAライブラリーを再スクリーニングする予定である。 我々は、cDNAクローニング実験と並行して精製AA4.1抗原分子の生化学的性状解析と組織内局在の解析も行っている。組織内局在に関しては、新鮮凍結組織切片を用いて、特に胸腺や脾臓の免疫組織、胎児肝臓、妊娠子宮内着床局所における解析を進めている。
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