1994 Fiscal Year Annual Research Report
特異な触媒活性の期待できる新規ハイブリッドキレート配位子遷移金属錯体の開発
Project/Area Number |
06455012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷 一英 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (60029444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山縣 恒明 大阪大学, 基礎工学部, 教務職員 (70166594)
片岡 靖隆 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (90221879)
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Keywords | ハイブリッド / キレート配位子 / パラジウム / Cp-P / カチオン / ロジウム / ルテニウム / イリジウム |
Research Abstract |
1)PNハイブリッドキレート配位子を利用したカチオン性アルケニル錯体の合成 我々はこれまでに、ソフトな配位子であるホスフィンとハードな配位子であるピリジンを含むハイブリッドキレート配位子(PN配位子:PN=o-Ph_2PC_6H_4CH_2O(CH_2)_n2-C_5H_4N,n=1-3)を開発し、そのパラジウム(II)錯体PdCl_2(PN)を合成している。このPN配位子の炭素鎖の長さを変えることによりシス体(n=1)、トランス体(n=3)をそれぞれ作り分けることができる。一方、この配位子のもう一つの特徴として、キレート鎖中のエーテル結合を利用してリン-酸素-窒素による3座配位子として働くことが挙げられる。本年度は、これを利用したカチオン性Pd(II)アルケニル錯体の合成、単離を行った。ジクロロメタン中室温で、cis-PdCl^2(PN_<n=1>)に対し二当量のAgPF_6を作用させカチオン性パラジウム錯体を調製し、アセチレン化合物とメタノールを反応させると、炭素-炭素三重結合に対しパラジウムとメトキシ基がトランスに付加したカチオン性アルケニル錯体が選択的に得られた。X線構造解析の結果、PN配位子が3座配位子として働いていることを確認した。 2)シクロペンタジエニル-ホスフィン混合ハイブリッドキレート配位子 新たなハイブリッドキレート配位子として、シクロペンタジエニル誘導体とホスフィンなどの供与性配位子を含む二座キレート配位子(Cp-P配位子)を開発した。Cp-P配位子のリチウム塩をロジウムのカルボニルダイマー、RuCl_2(PPh_3)_3、イリジウムのシクロオクテンダイマーなどと反応させ、そのロジウム、ルテニウム、イリジウム錯体の合成を行った。
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