1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06555179
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
早川 元造 鳥取大学, 工学部, 教授 (60093621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 稔 熊本大学, 工学部, 助教授 (90183540)
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Keywords | X線回折用応力負荷ジグ / 形状記憶合金 / TiNi合金 / X線応力測定 / 単結晶弾性定数 |
Research Abstract |
本研究の目的は,X線回折に利用できる小型軽量な応力負荷装置を形状記憶合金を用いて作製すること及び,この装置を用いて多結晶試料から単結晶弾性定数の測定を実施することである. 1.形状記憶合金を用いたX線回折用小型応力負荷装置の作成と評価 TiNi合金製の負荷リング(内径18.5mm,肉厚2〜5mm,厚さ4mm)を外注により作製した.時効無し及び400℃で50hまでの熱処理を行った負荷リングのMsおよびAs温度は,それぞれ-27〜-19℃及び1〜39℃の範囲で変化した.応力負荷は,Ms温度付近でポンチによって内径を広げ,試料挿入後Af温度以上に加熱および室温までの冷却によって実施した.負荷応力はAf温度で最大値をとるが,室温までの冷却中にマルテンサイトが応力誘起されるため負荷応力は減少する.従って室温で最高応力を得るためにはAf温度が低い時効無しのリングが適しており,このリングを用いた場合,最高250MPaの2軸圧縮応力が室温で得られた. 2.Fe-35Ni合金およびZrO_2-8mol%Y_2O_3の単結晶弾性定数測定 両試料とも立方昌系であるので,単結晶弾性定数はC_<11>,C_<12>及びC_<44>によって表される.Fe-Ni試料では3段階の異なる応力値を負荷し,最小2乗法により求めたX線弾性係数より次の値が得られた. C_<11>=1.249±0.100,C_<12>=0.72±0.073,C_<44>=1.219±0.096|10^5MPa| 同一組成の単結晶試料より得られた値は不明であるが,Fe-30Niに対する値(C_<11>=1.463.C_<12>=0.881,C_<44>=1.132|10^5MPa|)と比較して妥当な値と考えられる.ZrO_2-8mol%Y_2O_3試料に関しては現在試料作成中である.今後立方晶以外に正方晶や六方晶への拡張が期待される.
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