1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06555290
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村上 正秀 筑波大学, 構造工学系, 教授 (40111588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺岡 総一郎 東理社, 技術部, 技師
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Keywords | 超流動ヘリウム / 衝撃波管 / 熱衝撃波 / 蒸発 / 第2音波 / 入-転移 |
Research Abstract |
本年度の主な研究課題は,超流動衝撃波管の設計製作と,その為の基礎研究と先行実験とである.基礎研究としては,購入したワークステーションを利用して超流動2流体方程式の直接数値解析プログラムの開発,具体的にはHe II中の有限振幅波動現象の解析,が行われた.また,これらを利用した性能予測の為のパラメトリッスタディーや,設計データを得る為の設計計算も活発に行われた.先行実験としては,熱衝撃波を初めとする超流動ヘリウム中の各種波動現象に関する実験が,レーザーホログラフィー干渉計による可視化と,超伝導温度センサーによる温度計測を通して行われた.これにより,レーザーホログラフィー干渉計の極低温現象の実験への応用方式が確立できたほか,熱衝撃波や,パルス的加熱により発生する第1音波起源の圧縮波についてもその性質がかなり明らかになった.さらに,この圧縮波の発生,第2音波起源の熱衝撃波の発生,量子化渦の発生とその高密度化による温度境界層の形成,そして沸騰に至る一連の非定常熱流動過程が明らかにされた.さらに,超流動衝撃波管の中で用いられるべき圧力計等の部品テストも成功理に行われた. 設計は,3次にわたる設計図作図に呼応した3回の設計会議によって滯りなく行われた.これにより,MO式急開バブルを利用した高圧部を採用することが決定され,この部分と本体部,そして架台コントロールパネル部に分けた製作が行われた.引き続き組み立て取り付けが行われ,現在初期テストが行われている.これまでのところ機能は満足すべきであり,間もなくこれを利用した本格実験へ移行する予定である.
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