1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06555290
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村上 正秀 筑波大学, 構造工学系, 教授 (40111588)
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Keywords | 超流動ヘリウム / 衝撃波管 / 熱衝撃波 / 第2音波 / λ-転移 / 蒸発 |
Research Abstract |
超流動ヘリウム中の衝撃波等,高度に非定常な熱流動現象を対象として集中的な実験を可能とする超流動衝撃波管装置の試作,それを利用した各衝撃波の発生・伝播・干渉を調べることが目的である.本年度は予備テストが行われ,併せて幾つかの課題に関する基礎研究も実験と数値解析により行われた. 1.超流動衝撃波管装置の性能・作動特性チャートを作成する目的で,空気・気体窒素・液体窒素・液体ヘリウム等を利用した広範な作動条件に対する気体衝撃波管部の運転データの取得が行われた. 2.今後,超流動衝撃波管の本格的利用に際して必要になる計測技術として,位相変調レーザーホログラフィー干渉計の開発・製作・テストを行った.これは,第2音波起源の熱衝撃波や自由界面からの蒸発波等,極く小さな密度変化しか伴わない現象のレーザーホログラフィー干渉計法による高分解能光学計測のための必須技術であることが認識された. 3.3種類ある熱衝撃波(前面衝撃波,背面衝撃波,両面衝撃波)の形成過程と伝播特性について,光学干渉計を用いた可視化と超伝導センサーによる温度計測により調べた.特に,非線形的波形変形のバーガース方程式解との比較を行い,量子化渦効果による変化について明らかにした.併せて,第2音波モードと渦効果により現れた散逸を伴うモードによる伝熱との関係について統一的理解が得られた. 4.実験に加えて超流動2流体方程式と渦密度発展方程式との連立系に対する直接数値解法による解析も行なわれ,自己誘起量子化渦の作用による波形変形と減衰についてパラメトリックスタディーを行い,量子化渦の発展・消滅について知見を得た. 5.第2種の相転移であるλ線を横切るHe II- He I 相変化に伴う界面挙動特性,特に界面移動速度の測定と界面移動の動的安定性の観察を行った.
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[Publications] 飯田光人: "レーザーホログラフィー干渉計の低温熱流体現象への応用" 低温工学. 30-2. 85-92 (1995)
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[Publications] Takeshi Shimazaki: "Second sound wave heat transfer, thermal boundary layer formation and boiling highly transient heat transport phenomena in He II" Cryogenics. 35-10. 645-651 (1995)
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[Publications] 古川徹: "位相変調レーザーホログラフィー干渉計の極低温流体現象への応用" 平成7年衝撃波シンポジウム 講演論文集. (発表予定). (1996)
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[Publications] 永井大樹: "超流動衝撃波管に関する動作特性" 平成7年衝撃波シンポジウム 講演論文集. (発表予定). (1996)