1995 Fiscal Year Annual Research Report
核磁気共鳴装置による家畜生殖遺伝毒性の新評価法の開発
Project/Area Number |
06556048
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮本 元 京都大学, 農学部, 教授 (00026618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 正和 大阪府立農林技術センター, 畜産部, 主任研究員
石井 隆 京都大学, 農学部, 助手 (70111945)
葛西 孫三郎 高地大学, 農学部, 教授 (60152617)
丹羽 晧二 岡山大学, 農学部, 教授 (40089115)
眞鍋 昇 京都大学, 農学部, 助教授 (80243070)
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Keywords | 核磁気共鳴装置 / 卵胞細胞の生理特性 / 核磁気イメージング / 催奇形性物質 / 胎児の奇形 / 環境汚染物質 / エネルギー代謝 / 生殖遺伝毒性 |
Research Abstract |
これまで家畜の体内に取り込まれる環境汚染物質による生殖遺伝毒性の適切な評価法がなかった。本研究は、生体核磁気共鳴装置(NMR)を用いて環境汚染物質による家畜生殖遺伝毒性の評価法を新たに開発するべく行っている。 実験動物を用い、生体、卵巣、胎児組織、ならびに受精卵を培養して異なるステージにまで発生を進たものや培養初期胚を供試した。In vivoとin vitro両系で、卵胞細胞の生理特性を核磁気共鳴装置(NMR)にてリアルタイムに検出する測定条件を決定し、ワークステーションにて3次元立体画像として構築できるまでにした。この方法が、胎児の奇形の評価にも利用できること、老化促進動物の生殖腺老化機構の解析に利用できることなどを示した。さらに、レーザー顕微鏡を用いて、培養状態のままで受精卵に障害を与ずに光学的に0.1μ単位の連続した光学的切片とし、受精卵の発生と分化に支配的に関与する成長因子、ホルモン、細胞接着因子、細胞内2次メッセンジャーであるCa2+などの細胞内動態を3次元立体として定量解析できる技術も確立した。上述のように、当初予定していた以上に多面的に研究を進めることができた。特にビタミンA代謝物であるレチノイン酸などの経口的に摂取される天然物を含む各種の催奇形性物質による胎児の奇形を、イメージング型NMRを用いることで、早期から画像データとして検出できる手法を開発できたことは、副産物とは言え発生生物学全般に貢献する大きな成果である。次年度には、ブタなどの家畜の生殖腺や胎児を用い、多面的かつ総合的に環境汚染物質の安全性を高感度に評価できるシステムを構築する。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Miyamoto H., et al.: "Female reproductive properties and prenatal development of a senescence accelerated mouse strain" The Journal of Experimental Zoology. 272. 116-122 (1995)
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[Publications] 宮本 元ら: "潅流培養したヤギ卵巣の組織化学的研究" 日本胚移植学会雑誌. 17. 81-87 (1995)
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[Publications] Manabe N. et al.: "Immunohistochemical quantitation for extracellular matrix proteins in rats with glomerulonephritis" Nephron. 71. 79-86 (1995)
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[Publications] Manabe N. et al.: "Immunohistochemical micro quantification of fast-myosin in sections of mammalian skeletal muscles" Journal of Animal Science. 73. 88-95 (1995)
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[Publications] 眞鍋 昇、宮本 元: "卵胞退行における顆粒層細胞のアポトーシスの役割とその制御" 家畜人工受精誌. 167. 1-10 (1995)
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[Publications] Wang W. H. et al.: "Functional analysis using chlortetracycline fluorescence and in vitro fertilization of frozen-thawed ejaculated bore spermatozoa incubated in a protein-free chemically defined medium" The Journal of Reproduction and Fertility. 17. 81-87 (1995)
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[Publications] Magosaburo kasai: "Cryopreservation of mammalian embryos, Vitrification In: Methods in Molecular Biology, Vol. 38, Chapter 21" Humana Press Inc., Totowa, NJ, USA, 769 (1995)