1994 Fiscal Year Annual Research Report
半導体センサーによる破過検出器を内蔵した環境気中有害化学物質の固体捕集装置の開発
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06557030
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
保利 一 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教授 (70140902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
則武 祐二 (株)リコー品質管理部, グループリーダー
砂金 光記 (株)リコー研究開発本部, 課長代理
東 敏昭 産業生態科学研究所, 教授 (10119000)
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Keywords | 有機溶剤 / 半導体ガスセンサー / 活性炭管 / 固体捕集方法 / 環境測定 / 個人曝露量 / 破過時間 / 破過曲線 |
Research Abstract |
作業環境中における有機溶剤蒸気や有害ガスの環境濃度あるいは個人曝露量の測定法としては,固体捕集法が汎用されているが,測定中に蒸気が破過した場合,これを検出できないという欠点がある.本研究では,半導体ガスセンサーを固体捕集管の破過検出器とし,破過した時点で警報を発することにより,操作性,信頼性の高いガス状有害化学物質の環境濃度測定装置を開発することを目的とした。 まず、研究代表者らが開発した蒸気発生装置およびパ-ミエーターを用いて一定濃度の有機溶剤蒸気を得た.この蒸気を通じるテフロン管に,有機溶剤モニタリング用に開発された半導体ガスセンサーを接続し、出力信号をモニタリングした.定常状態に達した後,活性炭管をセンサーの上流側に挿入し,信号をICカードに連続的に記録すると同時に,活性炭管出口の蒸気濃度にFID付ガスクロマトグラフ(GC,島津製作所,GC‐15A,現有,インテグレーター付)を用いて経時的に測定し、破過曲線を得た。ICカードのデータおよび破過曲線をパーソナルコンピュータ(エプソンダイレクト、AT‐6000他一式)で解析し,両者を比較検討することにより,センサーの各種有機溶剤蒸気に対する感度,および応答特性などを調べた。有機溶剤には,メタノール,アセトン,酢酸エチル,トルエンおよびヘキサンを使用した.いずれも,破過の開始に対応してセンサーからの出力信号が変化し,破過の検出が可能であることが認められた.ただし,センサーが安定するまでに時間を要すること,センサーによって感度や寿命が一定していないことがわかった,これらの問題点を改良すること,およびセンサーを含む装置全体を携帯可能な形にすることなどが次年度の課題として残された.
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