1994 Fiscal Year Annual Research Report
二種の生分解性蛋白より成る階層構造を持つ小口径人工血管の生体内超微形態学的変化
Project/Area Number |
06557072
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
佐藤 伸一 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (30178735)
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Research Abstract |
我々は以前から、雑種成犬を使用し 小口径及び大口径の人工血管の開発を行ってきた。雑種成犬に植え込まれた人工血管の治癒は人体に植え込まれたものと違つて良好である。しかし人体のそれも遅々として進行しないようにみえるが、確実にゆっくりと進行しているのである。このようなことから我々は 人工血管開発にあって その人工血管の治癒を妨げる構造を排除することにしている。今回 我々は小口径人工血管を開発するにあたって 良好な治癒を促し人工血管が器質化される頃に器質化を阻害する抗血栓性が消失するように設計した人工血管を開発した。すなわち細胞の増殖に有利な超極細ポリエステル繊維を使用したWATER POROSITY 3000ml/min/cm/120mmHgの口径3mmの人工血管を作成した。そしてその間隙を加熱アルブミンで埋め 内腔をヘパリン-ゼラチンの架橋した膜で覆い抗血栓性を有する人工血管である。この人工血管を雑種成犬の頚動脈に移植置換する実験を行ってきた。これらの実験に関しての開存率はすでに報告してきた。平成6年度はさらに雑種成犬に対して植え込みを続け その人工血管の開存率を検討するとともに 取り出した人工血管壁を構成する内皮細胞および平滑筋細胞等に組織学的検討(超微細形態検討をも含み)を加えその由来の検討も行っている段階である。
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