1996 Fiscal Year Annual Research Report
軸流ポンプを用いた経皮挿入右心補助システムの開発研究
Project/Area Number |
06557074
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
中谷 武嗣 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (60155752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増澤 徹 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (40199691)
巽 英介 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (00216996)
妙中 義之 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 部長 (00142183)
高野 久輝 国立循環器病センター研究所, 副所長 (60028595)
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Keywords | 軸流血液ポンプ / 右心補助 / 末梢静脈挿入法 |
Research Abstract |
適用および離脱が簡便に行える末梢からアプローチする右心補助システムとして静脈内軸流血液ポンプの開発を進めている.試作中のシステムは,左心補助を目的として開発された動脈内軸流ポンプ(Hemopump)の駆動系を利用したもので,大腿静脈に縫着した人工血管を介して血管内に挿入し,透視下にバルーンカテーテルによるガイドにより順行性にカニューラ先端を肺動脈弁を経て肺動脈に留置する.これまで開発を行ってきたロータ,ステ-タに加え,カニューラ部の改良を加え,挿入が容易に行えるようにした.成山羊を用いた急性実験において,肺高血圧を作製した状態において,右心軸流ポンプを駆動することにより右房圧は9.0mmHgから3.3mmHgに減少し,大動脈流量は1.57L/minから4.13L/minに増加した.また,左心補助下に心室細動を誘発したところ,右房圧は12.7mmHg大動脈流量は,2.6L/minであったが.本システム駆動により,夫々9.3mmHg,3.9L/minとなり,右心負荷の軽減および流量の増加を認めた.成山羊を用いた慢性実験において,2日間の駆動を行った.試作システムでは,ロータおよびステ-タ部の抗血栓性に問題があり,強力な抗凝固療法が必要であったが,遊離ヘモグロビン値および血小板数の変化は許容範囲内であった.また,右房,三尖弁,右室,肺動脈弁および肺動脈において,接触による変化を認めたものの軽微であった.従って,軸流ポンプを用いた本システムは,適用・離脱が容易な短期使用用右心補助システムとして有望と考える.
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Research Products
(1 results)