1995 Fiscal Year Annual Research Report
全身麻酔下開頭術中の皮質電気刺激法による大脳機能局在自動解析システムの開発
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06557076
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 一郎 東京大学, 医学部(病), 講師 (30162928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎗田 勝 日本光電富岡株式会社, 第一技術部, 部長
杉下 守弘 東京大学, 医学部(病), 教授 (10114513)
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Keywords | 大脳皮質 / 皮質電気刺激 / 大脳機能局在 / 運動野 |
Research Abstract |
術中の運動野直接刺激による筋電図閾値電流の皮質分布について、「直線上に配列していない複数の大脳皮質部位を電気刺激した時、ある特定の筋の誘発筋電図反応の閾値電流強度が直線上にない最低6箇所の部位で計測出来れば、たとえこれらの刺激部位が運動野ではなくても、その筋を支配している運動野の中心点を数理計算で正確に推定出来る。」という事実を見いだした。 この事実に基づいて、全身麻酔下の開頭術中に大脳皮質の電気刺激による筋電図反応の閾値電流の強度分布から機能局在を正確に同定するためのシステムを実用化するために本研究を行った。 本研究では、システムの実用化のために刺激系の自動制御、データ取り込みシステム、データ解析、結果のディスプレイなどに関する技術的な研究、個々のサブシステムを統合するためのソフトウェアの開発、ならびに試作器を用いた基礎的動物実験などを行った。その際の主な問題点は、電流閾値を取り込む操作を半導体マトリックススイッチ等を用いて自動化し短時間かつ正確に閾値データをコンピューターに取り込むシステムを開発すること、ならびにその結果から術野内の閾値の近似放物曲面を算出し、さらにその最小閾値電流強度の部位をディスプレイに表示させるためのシステムの開発することなどであった。 このシステムが開発された段階で、試作器を用いて臨床検討を開始した。その結果、直線上にない6点以上の皮質部位である特定の筋の筋電図反応を誘発させる閾値電流強度が決定されれば、その筋を支配している運動野の中心点を数理計算で正確に推定出来ることを確認した。 今後、このシステムを生理学的情報と術野の画像情報とを組み合わせたものに改良していく方針である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 鈴木一郎 他: "技中モニタリング" Neurosurgeons. 13. 25-33 (1994)
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[Publications] 鈴木一郎 他: "側頭葉刺激と幻覚" Imago. 5. 38-43 (1994)
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[Publications] 鈴木一郎 他: "脊髄運動機能モニター法の工夫;脊髄AVM、髄内腫瘍への応用" 脳神経外科速報. 5. 175-177 (1995)
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[Publications] 鈴木一郎 他: "難治てんかんの外科治療" Neurological Science. 3. 9 (1995)
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[Publications] Suzuki I他共著: "Electrical stimulation of motor cortex: neural basis and cortical mapping New Horizons in Neuropsychology" Elsevier Science Publishers B. V. Amsterdam, 225 (1994)
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[Publications] 鈴木一郎 他共著: "てんかんの最新外科治療" 医学書院(東京), 288 (1994)