1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06558092
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
冨士 薫 京都大学, 化学研究所, 教授 (20027056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 節夫 大鵬薬品工業(株), 化学療法剤研究所, 室長
田中 圭 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50093266)
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Keywords | イチイ科植物 / タキソ-ル / タキソイド / 抗癌活性 / ジテルペン / 構造決定 / 2次元核磁気共鳴法 / 立体配座 |
Research Abstract |
イチイ科植物から単離されるタキソ-ルは乳癌、卵巣癌等に対して強い抗腫瘍活性を持つことと作用機序の特異性の面から今日最も注目されている天然由来の抗癌剤の一つである。本研究ではタキソ-ル並びに類似抗癌活性物質の確保と開発を目的とし、中国産イチイ科植物につき新骨格を持つリ-ド化合物の発見と活性物質への化学変換が可能なタキソイドの検索を行ない以下の知見を得た。Taxus chinensis並びにTaxus chinensis ver.maireiからそれぞれタキソ-ルを含む13及び7種の既知ジテルペンと共に、14種、及び2種の新ジテルペン化合物を単離した。これらの化合物の単離、精製課程において設備備品として購入した液体高速クロマトグラフは有用でその威力を充分に発揮し研究の速やかな遂行に大いに役立った。単離精製した新ジテルペンにつき各種スペクトル手法により精密構造解明した。この際、非破壊的手法の2次元核磁気共鳴法が効果的で、特に遠隔^<13>C-^1H COSY法により各種の置換基の結合位置の解明に成功した。また一部の化合物についてはX-線解析により最終的に構造解明を行なった。その結果、以前初めて天然から単離し報告したtaxchinin A以外に11種の5/7/6系新骨格と4種の従来型タキサン骨格の新規化合物の立体をも含めた構造決定に成功した。興味あることに5/7/6型の新化合物の大部分は溶液中で2種の立体配座の混合物として存在することが認められ、それらの詳細な解析を行なった。これらの現象はタキソ-ルなど従来の化合物には見られない現象である。尚、立体配座の存在比は環状の置換基の有無、種類、位置により種々変化することが明らかになった。新化合物の一部についてtubulinに対する活性を予備的に調べたところ現在のところタキソ-ルに匹敵する活性は認められていない。タキソ-ルなど活性物質への化学変換に必要な5/7/6型を含む化合物の単離と化学変換については現在進行中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 冨士薫,田中圭, 他: "On the Structures of Six New Diterpenoids,Taxchinin E,H,I,J,K and Taxchin B" Chemical & Pharmaceutical Bulletin. 42. 1539-1541 (1994)