1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06558097
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江崎 信芳 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50135597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 正則 東洋紡(株)敦賀バイオ研究所, 主席部員
栗原 達夫 京都大学, 化学研究所, 助手 (70243087)
吉村 徹 京都大学, 化学研究所, 助手 (70182821)
左右田 健次 京都大学, 化学研究所, 教授 (30027023)
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Keywords | 封入体 / グルタミン酸ラセマーゼ / アラニンラセマーゼ / GroESL |
Research Abstract |
遺伝子の人為的改変とその発現はタンパク工学における最も基本的な技術の一つであるが、E.coliを宿主として外来遺伝子を発現させた場合、不溶性の封入体(inclusion body)を形成する例が多く知られている。この場合封入体の変性-再生操作を行っても必ずしも正常なフォルディングをするとは限らず、特に本来フォルディングした状態が明らかでない変異タンパク質の場合には、封入体形成の時点において研究の続行を断念する場合も少なくなかった。本研究は、外来遺伝子発現時に分子シャペロンを共発現させ、発現させたタンパク質をin vivoにおいて正常なフォルデイングへ導く手法を開発するものである。本年度はまず、セルフクローニングして大量発現させた場合封入体を形成し,変性-再生操作を行っても活性型にならないE.coliのグルタミン酸ラセマーゼについて、同菌由来の分子シャペロンであるGroESLの共発現の効果を検討した。GroESLを共発現させた場合、宿主大腸菌可溶性画分のグルタミン酸ラセマーゼ活性は約5倍に上昇し、電気泳動によっても可溶性画分における酵素タンパク質の増加と封入体の顕著な減少が認められた。この効果はGroESLの発現をグルタミン酸ラセマーゼ遺伝子の発現に先行させた場合にのみ得られた。また本年度は、単独で発現させた場合にinclusion bodyを形成する、好熱性細菌由来アラニンラセマーゼのN末端ドメインタンパク質が、GroESLの共発現によって宿主の可溶性画分に回収されることを見いだし、異変タンパク質が発現時にinclusion bodyを形成しても、必ずしもそのタンパク質が可溶性構造をとり得ないことを意味するものではないことを示した。
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Research Products
(1 results)