1996 Fiscal Year Annual Research Report
高頻度大脳磁気刺激装置の試作とその安全性および臨床応用の検討
Project/Area Number |
06558109
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木村 淳 京都大学, 医学研究科, 教授 (10204976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎗田 勝 日本光電富岡株式会社, 第一技術部, 主任研究員
福山 秀直 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90181297)
柴崎 浩 京都大学, 医学研究科, 教授 (30037444)
秋口 一郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30115779)
梶 龍兒 京都大学, 医学研究科, 講師 (00214304)
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Keywords | 磁気刺激 / 連続磁気刺激装置 / 高頻度磁気刺激装置 / 安全性 / 動物実験 / 筋電図 / 運動誘発電位 / 日本猿 |
Research Abstract |
平成7年度、8年度の研究において課題となっていた連続磁気刺激装置のハードウエア上の諸問題が7月にはほぼ克服できたため、以後日本猿を用いた動物実験にとりかかった。この間に海外の数施設から、人に対し連続磁気刺激装置を用いたところ、けいれんを誘発したとの報告が相次いだため、主として安全性、ことに痙攣を誘発するかいなかについて焦点をおいて実験をおこなった。 具体的には1匹の日本猿の頭部に円形コイルをのせて刺激頻度を1Hzから30Hzまで増加し、かつ出力を50%から100%まで変化させた。原則として各20回の刺激を行ったが、80%から100%の強度で20Hz、99回刺激した。このさい左右の前腕筋より誘発筋電図を記録し、かつビデオテープにも記録し評価した。その結果1)全般的には連続刺激により興奮性増大が起こるが、特定の周波数(10Hz近傍)では刺激回数が増えるとむしろ誘発筋電図の低振幅化を生じた。2)もっとも興奮性を高めた条件での99回の高頻度刺激でも明らかな痙攣は生じなかった。3)数回の実験後、日常動作を観察するかぎり明らかな行動異常はみとめなかった。4)ハードウエア的には頻度刺激時のコイルの発熱を除き大きな障害はなかった。以上より今回の実験で見るかぎりは高頻度磁気刺激は比較的安全と考えられるが、個体差もあるので評価には慎重でなければならないと思われる。 当初の計画では人に対しても高頻度連続刺激を行う予定であったが、危険が大きいため、低頻度(Hz以下)多数回刺激にとどめた。錐体路障害の検索に用いたが、この頻度ではとくに安全性に問題は生ぜず、錐体路障害の診断に有用であった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kohara N,Kaji R,Kojima Y,et al.: "Magnetic stimulation in ALS ; a single motor unit study using transcranial magnetic stimulation." Electroenceph.clin.Neurophysiol. suppl46. 327-336 (1996)
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[Publications] Kohara N,Kaji R,Kojima Y,et al.: "Abnormal excitability of the corticospinal pathway in patients with amyotrophic lateral sclerosis : a single motor unit study using transcranial magnetic stimulation." Electroencephalogr and clin neurophysiol. 101. 32-41 (1996)
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[Publications] Kohara N,Kaji R,Kojima Y,Mills K,Fujii H,Hamano T.: "Increased excitability of the corticospinal neurons in patients with amyotrophic lateral sclerosis. In : Kimura J,Shibasaki Heds." Recent Adv in Clin Neurophysiol. Amsterdam : Elsevier. 91-96 (1996)