1994 Fiscal Year Annual Research Report
ディーゼルパティキュレートと窒素酸化物の同時除去に関する研究
Project/Area Number |
06559012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鹿川 修一 長崎大学, 工学部, 教授 (80037746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 清英 株式会社リケン, 研究センター, 次長
寺岡 靖剛 長崎大学, 工学部, 助教授 (70163904)
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Keywords | ディーゼルパティキュレート / 窒素酸化物 / 同時除去 / 触媒 / ペロブスカイト型酸化物 / スピネル型酸化物 |
Research Abstract |
本研究は,ディーゼル排ガス中の炭素質微粒子(パティキュレート;PM)と窒素酸化物(NOx)の有害成分を同時に除去,無害化する新しい排ガス浄化触媒システムの開発を目指したものであり,今年度に以下の成果を得た. 1.触媒とPMの混合物をNOxとO_2を含むガス中で連続昇温して反応を追跡する昇温反応法により,ペロブスカイト型(ABO_3),K_2NiF_4型(A_2BO_4),スピネル型(AB_2O_4)酸化物の同時除去活性の基礎的評価を行った. (1)何れの触媒系においても,AイオンとBイオンの組み合わせにより活性は大きく変化した. (2)アルカリ金属,特にKの添加が活性向上に有効であった. (3)現在のところ,ペロブスカイトではLa_<0.9>K_<0.1>FeO_3やLa_<0.9>K_<0.1>Mn_<0.8>Cu_<0.2>O_3,K_2NiF_4型ではLa_<1.9>K_<0.1>Cu_<0.95>Va_<0.05>O_4,スピネル型ではCu_<0.95>K_<0.05>Fe_2O_4やCuFe_<0.9>K_<0.1>O_4が優れた特性を示している. (4)これら複合酸化物は遷移金属単独酸化物や担持白金触媒よりもNOxの還元能が高く,有望であることがわかった。 (5)優れた特性を示す触媒については,ハニカムあるいはフォーム状のセラミック担体に担持し,実機テストを計画中である。 2.メタンの燃焼反応や酸素の昇温脱離法による表面酸化力の測定,X線光電子分光法による表面状態分析,BET法による表面積測定などにより,触媒のキャラクタリゼーションを行った.その結果,活性は表面積には依存せず,表面積当りの酸化力で決まること,スピネル系ではKは表面に濃縮される傾向にあり,適当な表面濃度を持ちかつ表面状態が安定なものが活性,耐久性に優れていること,などを明らかにしつつある.今後,反応機構の解明などを行い,それらを総合して活性支配因子を明らかにしていく予定である.
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