1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06610074
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
石田 雅人 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (10101263)
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Keywords | 強化スケジュール / 過剰訓練 / 消去 / 報酬期待 / フラストレーション / 比較学習 / クサガメ |
Research Abstract |
カメの学習における情動的成分の関与の仕方を調べるため,フラストレーション仮説を含む学習理論を2つの実験により検証した。 1.漸増率(gI)及び漸減率(gD)部分強化スケジュールと消去抵抗の関係。gI(N=2),gD(N=5)の他に統制群としてランダム強化群(RA:N=4)を加え(いずれも56%強化),3群のクサガメが,直線走路で1日10試行で10日間の習得訓練が与えられ,さらにその後に10日間の消去訓練を受けた。3群とも有意な習得及び消去の効果を示したが,消去抵抗の大きさに有意な群間差が見られなかった。しかし3群の消去抵抗の相対的関係は期待報酬と得られた報酬との関係(強化水準)が般化減少を規定することを示したラットの結果に類似していた。カメの学習においても情動成分の学習への関与が示唆される。 2.過剰訓練消去効果(OEE)の生起の検討。ラットでは連続強化試行数と消去抵抗の大きさに負の関係が見られることがある(OEE)。1日10試行で7日間の連続強化を与える基準群(C7)、さらに7日間及び14日間の過剰訓練をさせる群(それぞれC14,C21)の計3群(いずれもN=8)を大報酬下で走路走行訓練をし,その後消去試行を与えた。習得の最終水準に群間差はなかった。消去抵抗はC7が最大で,次にC14そしてC21となり,OEEが見いだされた。この結果は,習得試行数の関数として報酬期待が増し、無報酬で生起するフラストレーションは報酬期待の大きさに対応して接近反応を妨害するとしたフラストレーション仮説の予測を支持する。ラットでも大報酬下でOEEが生起するが,その場合習得試行数が100試行を越えれば消去抵抗には差が見られないことから,一般にカメはラットより報酬期待の漸近値到達が遅れると考えられる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Ishida,Masato,Akiyama,Junko: "Distribution pattern of partial reinforcement and resistance to extinction in the turtle,Geoclemys reevesii" Memoirs of Osaka Kyoiku University(Ser.IV). 43. 29-36 (1994)