1994 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの性被害防止のための安全スキル獲得とそのプログラム開発
Project/Area Number |
06610120
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
佐々木 保行 鳴門教育大学, 学校教育学部・幼児教育講座, 教授 (60007961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 成和 鳴門教育大学, 学校教育学部・幼児教育講座, 助手 (90253244)
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Keywords | 子ども / 性被害防止 / 安全スキル / プログラム / からだのふれあい / コミュニケーション / 言語的メッセージ / 学習用ビデオ |
Research Abstract |
本研究は、諸外国の性教育の中で重視されている子どもの性被害防止の安全教育プログラムを開発し、作成することにある。そのため子どもが自らのからだと心を守ることのできる確かな態度と行動を学習し、同時に実践的な安全スキルを獲得できる学習用ビデオの製作に中心を置く。 本年度は親や教師が子どもの性被害を防止するために、どのような対応と配慮が必要であるかを明らかにするために、主として大人向けの教育ビデオを製作した。30分弱の構成であるが、内容は性被害を防止する基本的事柄として、日常のからだのふれあいの問題を取りあげた。このからだのふれあいには、気持ちのよいふれあいと不快なふれあいとがあり、この両者の区別を学習し、とくに不快なふれあいを強制されたり、あるいは不快なふれあいに遭遇した場合、どのような態度と行動が要求されるかをマンガ、イラスト、アニメ等を使用して、わかり易く映像化を行なった。 したがって本ビデオは、主に親や教師を対象にしたものであるが、子どもにも十分活用できるものである。たとえば子どもが安全スキルを獲得する三つの行動プランは、第1に“いや、さわらないで!"と明確に言語による意思表示をしたあと、第2のプランとして、そこから離れ、安全な場所へ逃げること、第3のプランは、いまあったことを信頼できる大人に話すこと、の三つのプランである。これらの行動プランを具体的なケースの映像を通して、子どもが自然に獲得できるような内容から構成されている。さらに危険な場面から、自分のからだと心を守るために、普段どのような親と子のコミュニケーションが必要であるかを、親から子どもへの言語的メッセージと非言語的メッセージの使い方について、解説を行なった。 以上、本研究は性被害を防止するための基本的事柄の中でも、とりわけ日常性をもっているからだのふれあいの問題を通して、子どもの人権と子どもの意志決定の課題について映像化を中心に研究を実施した。
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Research Products
(1 results)