1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06610333
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
吉澤 南 茨城大学, 人文学部, 教授 (80086941)
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Keywords | タイ人(タイ族、俸) / シプソンパンナ / シャン州 / 景洪 / 景棟(ケントゥン、Keng tung) / メコン / 首長制 / 東南アジア |
Research Abstract |
本年度の研究は、文献リストの作成とそれらの収集を引き続き行うことと、それらの分析を通して新しい事実・知見を得、それらを発表できる形にまとめることであった。その実績は以下のごとくである。 (1)タイ人に関する文献(著作、論文)作成のうち、特に中国語文献については、助力者の協力も得て、ほぼ完璧なものを作成し終え、データー入力も基本的に完了した。英語、フランス語の文献についても日本の図書館(東洋文庫、国会図書館等)で収集可能なものはコピーで入手することができた。このためにかなりの時間と経費をかけた。 (2)これらの文献の分析により、19世紀後半におけるメコン上流(今日の中国・ラオス・タイ・ビルマ境界地域)での英仏関係、シプソンパンナ(なかでも景洪)の首長とシャン州(なかでも景棟ケントゥン)の首長との関係(婚姻、戦争)などに関する事実を明らかにすることができた。同時に、この時期タイ人社会ならびにシャン州に深い関係を持った F. George Scott(イギリス人、ビルマ行政官)、William Clifton Dodd(アメリカ人、宣教師)などの当時の著作や足跡について詳細なデーターを得ることができた。 (3)東南アジア内陸部における諸列強関係(本研究では主として英仏関係)は、広くは極東全体、なかでも中国北部(北京・天津)と中部(揚子江)でのそれと深い関係があるが、そのことを意識して、本年度では、迂遠ではあるが、北部の諸列強関係を明らかにするために1編の論文をまとめて発表した。 (4)それとの関連で、(2)で述べた南部境界地域における英仏抗争とタイ人の首長制の分裂の過程を論文にすることを今後の第1の課題としたい。
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Research Products
(1 results)