1996 Fiscal Year Annual Research Report
明治期閨秀作家の基礎的研究-中島歌子門下生(一葉・花圃・夏子)を中心に-
Project/Area Number |
06610409
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
栗原 敦 実践女子大学, 文学部・国文学科, 教授 (40086822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 英子 (今野 英子) 実践女子大学, 文学部, 専任講師 (60205573)
棚田 輝嘉 実践女子大学, 文学部・国文学科, 助教授 (10171810)
西澤 美仁 実践女子大学, 文学部・国文学科, 教授 (50134424)
渡辺 守邦 実践女子大学, 文学部・国文学科, 教授 (00074930)
野村 精一 実践女子大学, 文学部・国文学科, 教授 (40020325)
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Keywords | 中島歌子 / 萩の舎 / 伊東夏子 / 三宅花圃 / 伊東祐命 / 樋口一葉 / 明治初期女子教育 / 和歌伝授 |
Research Abstract |
最終年度にあたる本年は、これまでの共同研究の集成として、「伊東夏子関係田辺家資料」(調査報告)を編集・刊行した。その概要はI短冊の部翻刻(付脚注)II書簡の部翻刻(付脚注・解説)III田辺家資料リストの、三項目からなる。このうちI IIIについては報告済み(IIIには補訂を加える)なので、IIについてのみ、その概要を述べる。 ここでは伊東祐命発信のもの三通・三宅花圃発信三通・中島歌子発信十九通・伊東夏子発信二通の、計二十七通の書簡について、翻刻と注・解説を行った。執筆年が不明であること、当事者だけが了解している私的な内容であること等から、分析は困難を極めたが、歌会や吟行・添削等をめぐっての種々の連絡事項や、裁縫の依頼・借家や手伝い人の斡旋等の日常的なつきあいのあれこれ、更には歌子周辺のごく親しいグループの存在を物語る記述等にあふれ、極めて興味深い内容のものであった。同じく萩の舎に学んだ一人に樋口一葉がいるが、一葉日記の背景をなす萩の舎塾の具体相が、これらの書簡によって生き生きと彷彿されるようである。 今後、周辺領域の研究の深化と相まって、本書簡についての分析も密度を深めてゆくことができると思われる。
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Research Products
(1 results)