1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06610459
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山田 小枝 千葉大学, 文学部, 教授 (20098635)
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Keywords | 否定 / 極化 / 対極表現 / 目盛り / 対立 |
Research Abstract |
否定の意味論的、語用論的機能を検討する一環として、否定対極表現(NPI)にとくに重点をおいて調べた。 否定表現の選択の背後にある条件として、統語論、意味論、語用論的なさまざま条件が考えられるが、ここでは、否定される成分と否定の意味関係が一様でないことにまず着目し、矛盾対立をなすものの中で双対性と等価性、反対対立をなすものの中では二極性と漸進的を区別し、また、その他のものとしては中間型と排除型を区別した。統語論的に文構造から、あるいは意味論的に否定の作用域を設定することだけでは説明しきれない否定のふるまいが、このような否定の対象・範囲を区別することによって明らかにされると考えたからである。その際、NPIを取りあげて分類の目安とした。それぞれの型に応じて否定表現と共起するNPIの種類が異なるから、NIPは否定の型の分類の基準として使えるだけでなくそのNPIの性質を吟味することによって否定の性格がより明確にされた。 対極表現は言語によって現れ方がかなり異なるが、共通したものとして、何らかのスケールを前提としたNPIが存在する。何をスケールにとるかは具体的な数目盛りからきわめて抽象度のたかいものまで一様でないが、いずれも最小スケールを軸に肯程・否定反転が行われる仕組みになっている。英・独・仏のような言語では直接的なスケールが用いられることが多く、日本語のような言語ではメタファー的なスケールが多く用いられていることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)