1995 Fiscal Year Annual Research Report
寡占市場における産業内貿易と戦略的貿易政策の効果-戦後日本の自動車産業の発展
Project/Area Number |
06630024
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小野 浩 北海道大学, 経済学部, 教授 (60109410)
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Keywords | 産業内貿易 / 海外直接投資 / ク-ルノ-・ナッシュ均衡 / 市場規模 / 対米輸出自主規制 / 寡占市場 / 競争度 / 共謀度 |
Research Abstract |
戦後日本の自動車産業は、日本経済の成長の歩と歩調をともにしていたように思える。日本にとっての最大の貿易パートナーであるアメリカとの自由化をめぐる論議、輸出自主規制の問題等は、自動車産業とも密接に関連している。過去に日本の自動車産業を扱った文献は多数あるが、それらのほとんどは個別企業の分析や親企業と下請けとの関係、等に主眼を置いたものであり、統一的な理論モデルを呈示してそのモデルに基づいて実証を行うという研究はほとんど皆無であった。本報告書で述べられるように、第1章で戦後日本経済の概観が述べられる。ここではなるべく当時の文献や統計資料に基づきながら、客観的叙述をこころがけた。第2章で基本モデルが呈示される。これは簡単なゲーム理論の手法を使用したロ-ソン・モデルの一般化であるが、推測的変動を考慮したモデルにも拡張されうる。第3章では、この基本モデルをそのまま戦後の日本の自動車産業に当てはめることが出来ないので、モデルの修正がなされている。第4章では実証分析が行われており、戦後から1960年代後半までの国内寡占市場の段階では、自動車産業の共謀度は次第に増加していることが読み取れ、また競争度も小さく、貿易自由化が行われた時期には、日本企業は十分独占力を保持して海外市場に進出していったことが分かる。現在、1970年代以降の分析を行っている段階である。報告書にそれらの結果が盛り込まれると思う。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 小野 浩: "戦後日本の自動車産業の発展" 経済学研究(北海道大学). 45-1. 68-76 (1995)
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[Publications] 小野 浩: "Intra-Industry Trade;Theory and Empirical Evidence" Economic Journal of Hokkaido University. 24. 15-24 (1995)
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[Publications] 小野 浩: "産業内貿易と海外直接投資の理論" 経済学研究(北海道大学). 45-4. 17-34 (1996)