1994 Fiscal Year Annual Research Report
環日本海地域の経済・環境協力と国際政治・経済システム〜国際的協力関係形成促進へ向けての社会的枠組みの模索〜
Project/Area Number |
06630026
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
片岡 正昭 筑波大学, 社会工学系, 講師 (80152669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 三郎 筑波大学, 社会工学系, 教授 (40026307)
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Keywords | 環日本海経済圏 / 国際経済協力 / 国際環境協力 / 水質汚濁負荷 / 経済・環境勘定体系 |
Research Abstract |
環日本海地域各国の経済事情及び国際経済・環境協力等に関する最近の動向を把握するための情報収集と整理を進め、平成2年時点のデータによって経済・環境勘定体系データベースを更新した。これに基づいて、環境分野においては特に海洋汚染問題に絞って研究を進めた。同年現在の環日本海地域への環境負荷について、水質汚濁負荷量の推定を行い、並行研究によって得られた北東アジア他海域の水質汚濁負荷量推定結果との接合をはかった。この結果、同地域における水質汚濁負荷分布の実態がはじめて全体的・定量的に解明された。これにより、水質汚濁負荷量推定結果の更新と精確化を達成しただけでなく、並行研究結果との接合によって、北東アジア海域全体の水質汚濁状況に対して、統一的な方法論に基づいた定量的な推定結果の相互比較ができたことは、重要な科学的貢献である。この成果は国際的な研究集会において公表された。 国際経済・環境協力の分野では、UNDPによる図們江開発計画の進展をフォローするとともに、比較対象であるバルト海・地中海における国際環境協力形成過程に関する文献収集と検討を進め、国際協力の基軸国が経済発展によって得られた政治的影響力を行使して国際環境協力機構を成立させる過程および国際環境協力事業の発展に関する動態について知見を深めた。日本海と同様な政治的環境を持った地域における国際環境協力の成立・展開過程の検討によって、今後、21世紀に向けて展開が予想される同地域における経済・環境協力構想の進展を展望する上において、重要な示唆を得ることができた。環日本海地域の経済・環境協力については、来年度研究の予備作業として各政治主体の最近の動向に関するデータの整理を行った。この分野の成果公表は来年度に予定されている。
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Research Products
(1 results)