1994 Fiscal Year Annual Research Report
米国資本のカナダ進出(1900-1930年)-鉱業・製紙業を中心として-
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06630061
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Research Institution | Keiai University |
Principal Investigator |
土井 修 敬愛大学, 経済学部, 教授 (30118682)
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Keywords | アメリカの対外投資 / アメリカのニッケル産業 / アメリカのアルミニューム産業 / アメリカの製紙業 / カナダ経済 |
Research Abstract |
今年度行った研究内容と研究結果の概要は以下の通りである。 1米国の鉱業(特にニッケルおよびアルミ産業)および製紙業の展開過程を概観した。ニッケルではインターナショナル・ニッケル,アルミではアルミニューム・カンパニ-・オブ・アメリカ,製紙ではインターナショナル・ペーパーを中心とする産業再編成・展開過程を分析した。特に,各産業における需給構造や価格構造,それを通した諸企業間の競争・協調関係を検討し,寡占体制の成立過程の分析に焦点を当てた。 2各産業における主要企業の資本蓄積過程を分析した。特に,資本調達を通した金融機関との関係を明らかにし,「利益集団」の折出に努めた。その結果,例えばニッケル社はニューヨークのバンカーズ・トラスト,アルミニューム社はピッツバーグのメロン・ナショナル,ペーパー社はニューヨークのチェイス・ナショナルと密接な関係を有することが明らかとなった。 3これら諸産業の関連産業,特に電力産業(精錬等に伴う電力需要)や新聞業界(新聞用紙需要)の動向を検討し,相互にいかなる関係にあるのか,企業別に分析した。 4カナダに進出した企業およびその時期を確定し,米国内での産業再編成の中でいかなる位置を占めたのか検討した。そのことを通して,諸企業のカナダへの進出の背景ないし動機を探った。
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