1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06630093
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
遠藤 雄二 九州大学, 経済学部, 教授 (90152024)
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Keywords | 職場における性差別 / 女性総合職 / 女性労働者のキャリア形成 |
Research Abstract |
女性労働者の登用、キャリア形成に成功している企業とそうでない企業に区分し、企業の人事担当者ならびに女性労働者から多面的に聴取り調査を行なった。聴取り項目は(1)人事担当者に対しては(ア)女性労働者の雇用管理の実態(イ)女性労働者に期待する職業能力(ウ)女性労働者のキャリア形成上の問題点(エ)女性労働者に対する支援策等であり、(2)女性労働者に対しては(ア)仕事そのものと職場における人間関係(イ)雇用管理と労働条件の性差の実態(ウ)希望する雇用管理のあり方(エ)希望する支援策(オ)職業生活と家庭生活の調和上の問題点、等である。 以上の聴取調査から明確になった女性労働者の雇用管理の実態ならびに女性労働者のキャリア形成上の問題点は以下の通りである。 (1)均等法施行後10年が経過したが、職場における男女賃金格差をはじめとして、依然として雇用管理上の男女差別が広範に依存していること、とりわけ多くの企業が女性労働者に対して要請しているものは、パートタイマーをはじめとした単純・補助労働であり、企業における正規女性労働者の位置付けも男女差別的であること、したがって女性労働者の昇進・キャリア形成は男女差別的であること。(2)このような一般的状況の中で、先進企学の聴取から明確になった、女性労働者のキャリア形成上の重要点は(1)女性労働者に対する様々な支援等(2)性別雇用管理を廃止し、個人別の雇用管理を行なうことである。さらに、女性のキャリア形成にとって今後切実になって来ると思われることは、家庭生活個人生活を犠牲にしないような仕事の要請を男女両方に対して行なうことである。
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