1994 Fiscal Year Annual Research Report
直鎖アルキルアンモニウムカチオンと四面体アニオンを持つイオン性結晶の構造相転移
Project/Area Number |
06640450
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
堀内 敬三 琉球大学, 教養部, 助手 (60190237)
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Keywords | 構造相違点 / イオン性結晶 |
Research Abstract |
本年度は課題名に記されているイオン性結晶として、(C_nH_<2n+1>NH_3)_2ZNX_4(n=1-5;X=C1,Br)の10種類の結晶を取り挙げ、これら結晶が示す構造相転移を調べるために、示差走査熱量測定(DSC)を行った。この測定により得られた結果を以下に列挙する。1.塩素化合物の構造相転移については、既に熱測定、X線構造解析等により詳しい研究が行われているが、今回の測定によりそれらについて確認を得ると共に、(n-C_5H_<11>NH_3)_2ZnC1_4において、今まで報告されていない相転移を143Kと149Kに見い出した。2.臭素化合物については、n=1-4の結晶の構造相転移について、核四極共鳴(NQR)による研究が以前報告者によって行われているが、今回の測定により一部を除きNQRの結果とよく一致するDSCピークを観測した。NQRでは観測されたがDSCでは検出できなかった相転移は構造変化が非常に小さい二次転移であると考えられる。3.NQRでは観測できなかった相転移を(n-C_3H_7NH_3)_2ZnBr_4については347Kに、(n-C_5H_<11>NH_3)_2ZnBr_4については、244Kに検出できた。4.今回DSCピークが観測できた臭化物の相転移は全て秩序無秩序型である事が、測定された転移エントロピーから結論された。
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