1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640534
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
金田 輝男 東京電機大学, 工学部, 教授 (50057220)
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Keywords | 準安定原子密度 / 低圧ガス放電 / 両極性拡散 / 細管陽光柱 / プラズマパラメータ / 自己吸収法 / アルゴンガス / フォトンカウンター |
Research Abstract |
準安定原子密度の測定は様々な放電条件で行われていたが、その形状は従来直径数[cm]のものが多く使用されていた。一方、最近ではガスレーザ管のように直径数[mm]の細管が利用されており、これら細管中での準安定原子密度の測定例は少ないのが現状である。そこで本研究では、直径3[mm]の円筒形ガラス管を用いて準安定原子密度の測定を行った。 使用した放電管は、直径3[mm],長さ15[cm]のパイレックス製円筒型ガラス管である。この放電管中心にホロー陰極,左右対称同一軸上に平板陽極が配置されている。この2つの放電管を一方あるいは両方放電させることで、光吸収法が適用でき、準安定原子密度を測定することが可能である。放電プラズマからの光は管径0.1[mmφ],長さ10[cm]のピンホール管で直線光に絞り、光ファイバーによって分光器に導く。分光された光はフォトマルによって光電変換及び増幅され、この信号をフォトンカウンターによって計数する。測定条件は、ガス圧0.03〜10[Torr],放電電流10〜50[mA],放電ガスはアルゴンという条件で準安定原子密度の測定を行った。 細管中での準安定原子密度は、放電電流に伴う電子密度の増加により準安定原子密度も増加すると予想されたが、5〜10[Torr]では準安定原子密度は放電電流に無関係に減少する傾向が見られた。これは階段励起,累積電離,準安定原子同士の衝突によって密度の増加が抑えられていると考えられる。0.1〜5[Torr]では放電電流の増加に伴い準安定原子密度も増加している。さらに0.03〜0.1[Torr]では、準安定原子密度は急激に減少しているのが観測された。これは管半径が小さい為、管壁への拡散損失が大きいと考えられる。
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