1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640550
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
渋谷 秀敏 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (30170921)
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Keywords | 地磁気エクスカ-ジョン / 古地磁気強度 / テリエ法 / ニュージーランド / オ-クランド火山群 / 玄武岩 |
Research Abstract |
本研究は地球磁場が異常な時期、特にエクスカ-ジョン期、の古地磁気強度をテリエ法で求めようとするものである。試料には我々がニュージーランドのオ-クランド火山群から報告したエクスカ-ジョンを含むニュージーランド北島の玄武岩質の単成火山岩を対象とする。初年度は、まず、装置の整備、試料の磁化の温度特性(ブロッキング温度スペクトル)の把握しテリエ法に適した試料を判定するための熱消磁実験、および、テリエ法実験の習熟のための実験を行なった。 装置の準備は、熱消磁装置への着磁磁場用コイルの導入、フラックスゲート磁力計、電源装置の購入と順調に進んでいる。消磁炉内の磁場は電気炉の中心で40nT、サンプルホルダーの長さ分(電気炉の中心から前後10cm)の範囲内ではほとんど変化なしと、玄武岩のテリエ法を行うに十分な値であった。また、コイルの磁場もサンプルホルダーの範囲内で、最大値の98%以上でテリエ法に問題の無い値である。 一方、熱消磁も数は順調に進み、すでに100個程度の試料の熱消磁結果が得られている。ただ、これらの中には交流消磁時には安定であったにもかかわらず熱消磁中の方位が不安定なものがかなりの割合で見られた。これは、テリエ法を行うには非常に困ったことで、使えるサンプルが限られることになる。この不安定の原因については、現在検討中であるが、磁化の強度から考えて消磁炉内の残留磁場による熱残留磁化とは考え難い。また、200℃以下の消磁でも現われることから、試料の化学変化による化学残留磁化でもありえない。交流消磁と熱消磁のプロセスの違いについて詳細な見当が必要であろう。とは言うものの、それでも来年度にテリエ法実験を行うに必要な数のサンプルは確保できる見込みである。
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