1995 Fiscal Year Annual Research Report
周波数応答法による触媒反応における複素速度定数の解明
Project/Area Number |
06640647
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Research Institution | Toyama University |
Principal Investigator |
安田 祐介 富山大学, 理学部, 教授 (60018992)
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Keywords | 周波数応答法 / 反応速度定数 / 白金属触媒 / プロピレンの水素化 |
Research Abstract |
1.「白金属触媒によるプロピレン(軽オレフィン)の水素化反応」を対象として、課題名の研究を行なった。 2.測定法が全く異なるA、B二種類の反応器を組み立てた: (A)気体電池型反応器;プロトン伝導膜の両面に触媒(白金あるいはロジウム)を付着させたものを隔膜とした。一方の部屋には水素ガスを、他方にはプロピレンガスを導入した。この時、プロパンの生成速度は、(この電池の起電力による)電流の測定によって得られる。 (B)流通型反応器;水素とプロピレンと(反応も吸着もしない)基準用のアルゴンの混合ガスを導入し、その一部を質量分析計にリ-クさせて、各組成ガスの分圧を測定した。 3.上の(A)、(B)において、それぞれの体積を(角速度wで)正弦波的に変動させることによって、ガス圧を変動させ、その時の反応系の応答を、電流あるいは分圧変動の振幅や位相差のw-依存性を測定することによって得た[=FRデータ]。 4.複素速度定数を含んだ理論式が、FRデータをうまく再現できる様に(コンピューターシミュレーションによって)速度定数を求めた。 5.以上の結果に基づいて、“複素速度定数の虚数項は、反応熱の散逸と結びついている"と帰結することが出来た。 6.化学反応には必ず自由エネルギーの減少を伴っている。従って、反応速度はその散逸の速さによって決まる筈である。FR法によると(従来のいずれの方法によっても得られなかった)この散逸速度に関する定数が得られることを示すことが出来た。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Yasuda: "Frequency Response Method for Investigation of Gas/Surface Dynamic Phenomena" Heterogeneous Chemistry Reviews. 1. 103-124 (1994)
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[Publications] Y.Yasuda,K.Iwai,K.Takakura: "Noveal Rate Constants for a Catalytic Hydrogenation Reaction of Propylene Obtained by a Frequency Response Method" Journal of Physical Chemistry. 99. 17852-17861 (1995)