1994 Fiscal Year Annual Research Report
液相中の熱解離反応における分子内・分子間エネルギー移動と溶媒効果
Project/Area Number |
06640672
|
Research Institution | Seibo Jogakuin Junior College |
Principal Investigator |
加藤 聡子 聖母女学院短期大学, 児童教育学科, 教授 (20090334)
|
Keywords | 熱解離反応 / 液相反応機構 / 分子内エネルギー移動 / 分子間エネルギー移動 / 化学反応動力学シミュレーション |
Research Abstract |
液体の全自由度を含む化学反応動力学シミュレーション(CRMD)のプログラムを、本研究費で購入したワークステーションへ転移した。常温で熱平衡にあるN_2O_4=2NO_2系で、周囲の分子と相互作用しながら進行する解離・会合反応のメカニズムを解明するため、“反応系(2NO_2)+溶媒系(124N_2O_4)"について、簡単なポテンシャル(分子内:調和ポテンシャル、分子間:Lennard-Jonesポテンシャル、反応系NO_2間にはNN結合の解離エネルギーを与えるMorseポテンシャルに反発項を加えたもの)を仮定し、解離限界を超えて励起された反応系で非平衡CRMDを実施し、データを集積し解析を進めており、液相反応についての重要な知見を得つつある。 1.気液両相のCRMDによるトラジェクトリーとエネルギー発展から、N_2O_4の解離・会合反応の遷移状態は、位相空間の中で“反応モードの全エネルギー=0"の曲面で定義され、エネルギー拡散過程と理解される。 2.気相中ではNO_2分子間反応モード(T)、NO_2分子内振動モード(V)、分子回転モード(R)間のエネルギー移動によって解離・会合反応が起こり、液相中ではT,V,R間のエネルギー移動に加えて、溶媒系と反応系間のエネルギー移動によって解離・会合反応が起こる。 3.今後CRMDの件数を増やし、ポテンシャルの改良を行って、内部自由度を持つ分子間の解離・会合反応についての液相反応理論の構築を目指す。
|
Research Products
(1 results)