1994 Fiscal Year Annual Research Report
導電性高分子のスイッチングによる動的な導電層分布を利用したイオン分離の基礎
Project/Area Number |
06640777
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
青木 幸一 福井大学, 工学部, 教授 (80142264)
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Keywords | ポリアニリン / 交流インピーダンス / 導電層 / しきい値 / 電気化学的スイッチング |
Research Abstract |
ポリアニリン膜の導電層の成長に関する基礎的性質の解明に、研究の主眼点を置いた。従来、導電層の成長を視覚的に見る膜として、インジウム・酸化チタン電極を用いていたが、硫酸中では電極そのものが不安定であるため、1時間以内の測定しか出来なかった。今年度では、電極処理法を開発したところ、長時間にわたる安定したデータが得られた。その結果、導電層の成長が始まる閾値電位の決定に曖昧さがなくなった。そこで、測定器の精度を上げる努力をすると同時に、外部からのノイズ、特に電力線からのノイズを抑える工夫をしたところ、電気化学セルの回りに交流電場に応答するシグナルが出ていることが分かった。そのノイズレベルは膜の厚さ・外部交流電場・外部交流磁場の振幅に一次であった。直流電位の依存性を検討したところ、膜が電子導電体であるときのみ、このような現象が起きた。すなわち、電子導電体部は外部電場と磁場に応答し、導電性の評価に使えそうである。一方、膜に導電分布を持たせるための閾値電位を決定するために対電極法を開発し、ポリアニリンは熱力学的には0.186V/vsSCEの閾値電位を持つことが分かった。現在、論文を草稿中である。
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