1996 Fiscal Year Annual Research Report
湖沼における従属及び半独立栄養性鞭毛藻の分布とその役割に関する基礎的研究
Project/Area Number |
06640828
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Research Institution | NATIONAL INSTITTE FOR ENVIRONMENTAL STUDIES (NIES) |
Principal Investigator |
高村 典子 国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 総合研究官 (80132843)
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Keywords | 湖沼 / 微生物食物連鎖 / ピコプランクトン / 鞭毛虫 / 繊毛虫 / トップダウン / 分布 / ボトム・アップ |
Research Abstract |
湖水の栄養レベルの異なる日本の31湖沼で、湖の表層水中に出現した細菌、ピコシアノバクテリア、真核性ピコプランクトン、鞭毛虫(藻)、そして繊毛虫の密度を水温が律速しない時期に調べ、湖水の栄養塩濃度との関係、または微小生物間の密度の関係を検討した。その結果、細菌の密度と繊毛虫の密度がともに全リン量、全窒素量、クロロフィルa量と正の相関を示し、TN:TP比と負の相関を示した。対数変換した繊毛虫の密度は対数変換したクロロフィルa量の一次回帰式で表せた。今回求めた細菌と繊毛虫の密度やそれらを表す回帰式は従来の報告値と大きく異なることはなかった。しかし、鞭毛虫の密度は過去の報告ほど高くはなく、従来報告されているように細菌の密度と密な関係は得られなかった。 ハイビジョンカメラを用いることによって、湖水の栄養レベルの異なる日本の15湖沼に出現する原生動物相(鞭毛虫、鞭毛藻、繊毛虫、太陽虫、アメーバ)を初めて明らかにした。 霞ケ浦に隔離水界を6基設置し、ハクレンの密度がプランクトン群集に与える影響について調べた。鞭毛虫の変動は、捕食者である枝角類と餌となる細菌の変動の双方によって有意に説明されたが、説明される変動の割合はわずかに9%足らずであった。鞭毛虫は、ピコシアノバクテリアを摂食することも知られているが、本実験ではピコシアノバクテリアは有意な説明変数には選ばれなかった。鞭毛藻の変動はハクレンの密度と溶存無機態窒素によって共に有意に説明された。しかし、係数の符号がそれぞれプラスとマイナスで、どちらも食物連鎖から予想される符号とは逆であった。ハクレンと鞭毛藻の正の関係は、間接的な因果関係に基づいていると考えられた。
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