1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640910
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
長島 秀行 東京理科大学, 基礎工学部・教養, 教授 (50084306)
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Keywords | 温泉藻類 / 那須温泉 / イデユコゴメ / ガルディエリア / シアニディオシゾン |
Research Abstract |
今年度は酸性温泉より純粋の株をできるだけ多く分離、培養して、それらの細胞形態や培養特性を比較して分類することであった。これまで各地の温泉より採集したサンプルより、コロニー形成、希釈法、マニピュレータ法などにより純粋な藻類株を分離しつつある。しかし、混在するバクテリアやカビの除去はかなり困難である。今回、1994年8月、新たに栃木県那須温泉の元湯と殺生河原地域を調査したが、元湯より単細胞紅藻イデユコゴメ Cyanidium caldariumを分離し、さらにそれに近縁なガルディエリア Galdieria sulphurariaを分離しつつある。殺生河原は比較的乾燥した状態で硫化水素臭があったが、イデユコゴメ等は認められなかった。那須温泉には多くの源泉があるが、イデユコゴメ等が認められたのは元湯など酸性の温泉に限られていた。イデユコゴメより下等と思われるシアニディオシゾンはいずれの地域にも認められなかった。これらの株の細胞構造、培養特性、光合成活性などについて現在、引き続き調査している。微細藻類の識別には電子顕微鏡観察が有効であるが、光学顕微鏡でも識別ができるように、染色法を改良したり、微分干渉顕微鏡による観察も併用している。イスラエルのSeckbach博士より分譲を受けたシアニディオシゾンの電子顕微鏡観察では、いまだ十分満足できる結果が得られていない。これは材料の固定に問題があると思われるので現在その再検討を行っている。
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