1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640910
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Research Institution | Science University of Tokyo |
Principal Investigator |
長島 秀行 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (50084306)
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Keywords | 温泉藻 / 熱川温泉 / 峰温泉 / イデユコゴメ / ガルディエリア / シアニディオシゾン / 18S リボソームRNA / 分子系統樹 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、各地より採集したサンプルより温泉藻を分離した。1995年8月には静岡県伊豆半島の湯の花温泉、熱川温泉、峰温泉、修善寺温泉などの藻類について調査した。その結果、これらの温泉水の泉温は36-83.3℃、pHは7.8-8.8で、いずれも中性、または弱アルカリ性で、生育している藻類は大部分は中性や弱アルカリ温泉に特有なSynechococcus属、Phormidium属、Oscillatoria属などの藍藻類(シアノバクテリア)で、酸性泉に特有なイデユコゴメ類は認められなかった。 つぎに、既に分離している3種類の温泉藻、Cyanidium caldarium RK-1株、Galdieria sulphuraria M-8株、Cyanidioschyzon merolae JV-95株よりDNAを抽出し、リボソームRNA遺伝子の塩基配列の比較から分子系統樹を作成しようとした。まず、これらの藻体よりホモジナイザーで細胞を破壊し、DNA抽出用キットISOPLANTで全DNAを抽出した。つぎに、これらの温泉藻が紅藻類とされているので、紅藻類の18SrRNAに共通と思われるDNA増幅用のプライマーを作成し、PCRにより増幅を試みた。その結果、目的の遺伝子はG.sulph urariaとC. merolaeではあまり増幅しなかったが、C. caldarium RK-1では良く増幅した。現在、その塩基配列をジデオキシ法により解析している。部分的に決定された配列を他の藻類と比較してみると、紅藻類のものと比べてかなり配列が異なっていた。したがって、本藻は紅藻類としてもかなり特殊な系統的位置にあると推定された。
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Research Products
(1 results)