1994 Fiscal Year Annual Research Report
光・プラズマアシスト気相成長法による立方晶窒化ホウ素薄膜の作製
Project/Area Number |
06650021
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉野 隆 大阪大学, 工学部, 助教授 (90206417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 励治 大阪大学, 工学部, 助手 (60221503)
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Keywords | 窒化ホウ素 / 三塩化ホウ素 / 窒素リモートプラズマ / 希釈ガス依存性 / 赤外吸収測定 / X線光電子分光測定 |
Research Abstract |
原料ガスとして三塩化ホウ素と窒素、希釈ガスとしてアルゴンまたは水素を用い、窒素リモートプラズマ気相成長法によってシリコン基板上への立方晶窒化ホウ素の育成を試みた。基板温度を1000Kに設定し、三塩化ホウ素を基板付近で窒素プラズマにより分解して窒化ホウ素の合成を行い、得られた薄膜表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察すると共に、赤外吸収測定、X線光電子分光法による評価から以下の結果を得た。 1.ガス圧力3Torr、窒素と三塩化ホウ素の流量比を1.2にした場合、深い青色の光沢を有する薄膜の堆積が認められた。SEM観察により多結晶薄膜の堆積を示唆する表面モルフォロジーが得られた。 2.希釈ガスにアルゴンを用いた場合、赤外吸収スペクトルの1350cm^<-1>と800cm^<-1>にピークをもつ吸収バンドが現れ、六方晶窒化ホウ素の存在が確認された。また、1010cm^<-1>付近にもピークが現れ、立方晶窒化ホウ素の生成を示唆する結果が得られた。 3.水素を用いた場合、吸収スペクトルにおいて窒化ホウ素の結合が認められなかった。また、塩素の取り込み量がアルゴンを使用した場合に比べて増加していることが明らかになった。これは窒素原子が水素、塩素原子と結合し、塩化アンモニウムが生成され、窒素原子のホウ素原子との結合が抑制されるためと考えられる。 初年度はリモートプラズマ励起法を用いて窒化ホウ素の合成を確認した。本年度は基板にバイアス印加を行い、立方晶窒化ホウ素の成長を促進することを試みる。また、多結晶ダイヤモンド基板上へのエピタキシャル成長を試みる。
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