1995 Fiscal Year Annual Research Report
熟練度に対応する柔軟なヒューマンインタフェースに関する研究
Project/Area Number |
06650310
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
橋本 正治 摂南大学, 工学部, 助教授 (60180840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川野 常夫 摂南大学, 工学部, 助教授 (90152983)
西田 修三 摂南大学, 工学部, 教授 (20100563)
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Keywords | ヒューマンインタフェース / 熟練 / 技能 |
Research Abstract |
平成7年度の研究計画に従い研究を実施し、以下の結果が得られた。 (1)個性・熟練度・習熟度の評価法の提案と測定システムの開発を行った。熟練度の評価は作業結果や作業工程を観測することで可能となるが、作業対象に依存するために、本研究では作業者の負担による疲労度の変化を評価指標とした。疲労に肉体的疲労と精神的疲労に分類されるが、未熟者と熟練者の違いは精神的疲労を表れると思われる。本研究では精神的疲労を作業中にリアルタイムに評価するために生理情報を検出し、その変化をもとに精神的疲労度を推定する手法を提案した。本手法の有効性を評価するために、作業シュミレータを開発し、昨年度試作した生理・運動学的情報を検出する計測装置を用い評価実験を行った。この結果と精神的疲労度の対応を明らかにするために、既存の精神的疲労度測定法をシュミレータに用いた計算機システム上で行う疲労度測定システムを開発し用いた。(2)作業者の特性に応じて柔軟に対応するインタフェースの提案・装置の試作・実験による評価を行った。インタフェースを物理的に作業者の熟練度に応じてリアルタイムに変化させることは不可能であるが、その特性を制御することは近年の計算機制御された機械システムにとっては容易である。前述した作業シュミレータで再現する熟練を要する作業として高周波回路の調整作業を採用した。この作業の入力装置であるボリウムの回転角度とその結果得られる調整波形のC/D値を変化させ評価実験を行った。 以上の研究の結果、(a)作業結果と生理情報・運動情報と精神的疲労は相互に関連していることが明らかとなった。(b)インタフェースの変更を行った結果、熟練者の場合、作業成績を維持しつつ作業時間が短縮された。本手法を用いることによりさらに技能が向上したことにより本手法の有効性が確認できた。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] 橋本正治: "作業者の熟練度に柔軟に対応するヒューマンインタフェースに関する研究" 1995年度精密工学春季大会学術講演会講演論文集. 1. 137-138 (1995)
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[Publications] 橋本正治: "作業者の熟練度に柔軟に対応するヒューマンインタフェースに関する研究(第2報)" 1995年度精密工学秋季大会学術講演会講演論文集. 3. 733-734 (1995)
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[Publications] 橋本正治: "筋肉振動錯誤を用いた位置覚ディスプレイに関する研究" 1995年度精密工学秋季大会学術講演会講演論文集. 3. 735-736 (1995)
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[Publications] 川野常夫: "温覚ディスプレイによる身体負荷の体感システムに関する研究" 1995年度精密工学秋季大会学術講演会講演論文集. 3. 737-738 (1995)
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[Publications] 西田修三: "マイクロマシンの操作における主観情報による客観視情報の形成(続報)" 人間工学会関西支部講演論文集. 1. 25-28 (1995)
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[Publications] 川野常夫: "ニューラルネットによる身体運動評価のための音響表現に関する研究" 1996年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集. (1996)
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[Publications] 橋本正治: "未熟者への技能教示のためのヒューマンインタフェース" 機械学会関西支部第71期定時総会講演会講演論文集. (1996)
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[Publications] 川野常夫: "工具を把持した上肢動的作業負荷の評価に関する研究-主観的作業強度と力学量の関連について-" 1996年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集. (1996)
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[Publications] 川野常夫: "姿勢入力用人体模型と関節トルクの可視化による作業姿勢のためのコンサルティング支援システムに関する研究" 精密工学会誌. (査読済み、掲載予定1996年度).