1995 Fiscal Year Annual Research Report
生物の目を参考にしたアクティブな視覚の計算理論に関する研究
Project/Area Number |
06650465
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮崎 文夫 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (20133142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
升谷 保博 大阪大学, 基礎工学部, 講師 (80219328)
丸 典明 和歌山大学, システム工学部, 講師 (60239150)
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Keywords | アクティブビジョン / LPM / 視差フィルタ / VOR / 協調制御 / トラッキング / センサフュージョン / ジャイロセンサ |
Research Abstract |
従来,生物の視覚研究では,視覚は行動から切り離され,行動とは独立したセンサーとしてその計算理論が研究されてきた.しかし,生物の視覚は常に生物の運動と共に存在し,目や体の運動と切り離して独立に処理や解釈が行われているとは考えられない.人間の目も,高速に視線を移動するサッケード運動,両眼の中心を物体上で合わせるバ-ジェンス制御,対象物を滑らかに追跡するパース-ト運動、頭の回転運動を補償する前庭性動眼反射(VOR)など種々の運動を行っているが,これらの運動は視覚の計算を容易に行うためであると考えられる.本研究では,人間の目を参考にしたアクティブな視覚の計算理論を明らかにし,視覚情報と目の運動情報を統合化することにより観測者の運動に依らない安定した環境表現を作成し,ロボットの環境の計測・認識・行動方法を確立することを目的とした. 本年度は,人間の目を参考にして目の運動制御と目の構造に関する研究を行った.まず,目の運動制御については,ジャイロセンサーを用いて人間の前庭動眼反射(Vestibulo Ocular Reffex : VOR)と同様の機能を実現した.この機能は,ロボットのボディが激しい運動をしたり,不整地を走行するときにでも,対象物体を注視しつづけるために重要な機能である.本研究では,モータとセンサのダイナミクス及びキネマティクスを考慮し,さらに視覚処理と融合することにより,人間と同等の周波数域まで注視性能を向上する方法を開発した.次に,目の構造に関する研究においては,人間の網膜の構造を参考にしたLPM (Log Polar Mapping)画像を用いて能動的にカメラを制御することにより,動物体を検出し追跡する研究を行った.本研究では,人間と同様の複数の視差フィルタを用いることにより,動物体を検出し注視し続ける手法を開発した.
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