1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650546
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
鈴木 壽 徳島大学, 工学部, 助教授 (80154574)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 拓男 徳島大学, 工学部, 教授 (90035642)
|
Keywords | 降雨 / 不飽和土 / サクション / 斜面安定解析法 / 浸透解析 / 三軸圧縮試験 / 斜面崩壊予知法 / ベイズ線形回帰モデル |
Research Abstract |
本研究では、まず、降雨浸透による不飽和土のサクションの変化を考慮した降雨時の斜面安定解析法を有限要素法による飽和-不飽和浸透解析と円弧すべり面法とに基づいて定式化した。そして、この解析法の降雨時斜面崩壊予知法に対する適用性を検討するために、高知〜池田間の国道32号における斜面崩壊に対する事例解析を実施した。それには、崩壊現場から採取した不飽和土の浸透および強度特性を知る必要があり、それらに関する詳細な室内実験を実施した。特に、不飽和土の強度特性については、三軸圧縮試験のにおける排気および排水条件によって得られる強度がかなり異なるので、これらの試験条件を(1)排気・排水、(2)排気・非排水および(3)非排気・非排水とした詳細な実験をした。これらの試験では排気・排水条件にかかかわらず、せん断抵抗角φよりも粘着力cの方が飽和度の上昇に伴って顕著に減少する傾向が見られた。また、(1)および(3)から得られる強度にはあまり差がないことも判明した。そして、上記で得られた不飽和土の強度係数とpF試験から得られた水分保持曲線およびvan-Genuchten法から推定した不飽和透水係数を用いて国道32号の崩壊現場に対する事例解析を行った。その結果、降雨時の斜面安定解析法に用いるべき強度試験法としては、排気・非排水条件とすべきこと、ひずみレベルによる不飽和土の強度差は解析結果にあまり影響しないことなども明らかとした。さらに、この降雨時の斜面安定解析法では、のり面保護、風化、湧水などの影響を考慮することができないので、崩壊事例に基づいてそれらの要因の影響を評価できる豪雨時の斜面崩壊予知法をベイズ線形回帰モデルに基づいて開発した。そして、この方法による数値計算と事例解析を示し、その有用性を明らかにした。
|