1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650556
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小葉竹 重機 群馬大学, 工学部, 助教授 (00027260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 義彦 群馬大学, 工学部, 助教授 (70178995)
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Keywords | 気候緩和 / 熱収支 / 植生効果 |
Research Abstract |
森林の気候緩和効果に関して、観測とその結果に基づくシミュレーションモデルの構築という2本の柱を中心に研究を進めた。観測は大学から北約1.5kmの山林のふもとにおける気温と湿度、大学構内に設置した簡易型総合気象観測装置による気温、日射、風速、雨量について行い、この他に桐生市のアメダスの記録も収集した。さにら、異なった地被のもとでの夏期における気温、放射収支の計測も行った。得られた結果を要約すると以下のようである。1.地被の異なる場での気温、放射収支の観測から、夏期にはアスファルトと土の面上の気温差は2℃程度となり、アスファルトでは夜9時を過ぎても地面からの放射が50W/m^2程度残っている。2.夏期の日中の表面温度を熱収支式から検討したところ、アスファルトでは約60℃程度になることがわかった。これは浅枝等によって得られている値と同じである。3.森林の近傍にある独立樹木の木陰で観測した気温と、大学に配置している簡易型総合気象観測装置による気温、および桐生市アメダスの観測結果を比較したところ、夏期には約2℃〜3℃程度森林の方が気温が低いことがわかった。また、日射の強かった日の夕方の数時間は、アスファルト等で舗装された地被の場合と比較すると5℃程度森林の方が気温が低くなる。これらが夏期の気候緩和の効果である。4.また、冬期には風が強い日の日中に森林の方が気温が高くなる場合がある。これは森林以外の観測地が風の通り易い場所であることと、それらが川沿いであることに一因がある。5.森林と大学の観測塔の気温差あるいは森林とアメダスの気温差の変化の様子は季節によって異なり、日射の効き方も季節によって異なる。正確な再現には厳密なシミュレーションモデルが必要である。6.LESモデルを用いた3次元モデルの構築を目指したが、熱収支式を取り込むところまで進めなかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 小葉竹,重機: "河川水温の形成過程に関する研究" 土木学会水工学論文集. 39. 147-152 (1995)
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[Publications] M. O. Nyadawa: "Generalized Characteristics of Intense Rainfall and Peak Discharge in Athi Basin Kenya" Journal of Japan Society of Hydrology & Water Resources. Vol. 8 No. 1. 78-86 (1995)
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[Publications] M. O. Nyadawa: "Simulation of Daily Streamflows for Hydrologically Large Catchments in Drainage Area. 3, Kenya" Journal of Japan Society of Hydrology & Water Resources. Vol. 8 No. 1. 87-94 (1995)
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[Publications] 清水義彦: "植生流路における洪水波伝播に関する実験的研究" 土木学会水工学論文集. 40(登載決定). (1996)