1994 Fiscal Year Annual Research Report
植生や種々の粗度による開水路流制御と多機能水路の設計に関する研究
Project/Area Number |
06650558
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
辻本 哲郎 金沢大学, 工学部, 助教授 (20115885)
|
Keywords | 開水路乱流 / 植生水理 / らせん流 / 多機能水路 / 数値解析 |
Research Abstract |
近年,治水・利水・環境のいずれの機能も充実させる河川整備が要求されてきているが,とくに環境機能には単に水環境の保全のみならず様々な生態の生息環境を保全したり,景観面の向上も含まれる.いわば河川は「多機能水路」として整備されるようになってきている.一方,治水機能も単に流量に対して充分な断面積を確保するだけでなく,局所的な洗掘,堆積を制御すること,言い換えれば土砂動態も制御することが重要となってきた.こうした状況では,平均流制御ではなく,流速分布や2次流れの制御が必要となってくる.本研究では植生や桟の配置によって2次流を生起させこれによって流速分布やながれの3次元構造をせいぎょすることを考えた。 まず,斜め桟を底面に配置して螺旋流を誘起させることを実験的に確認,斜め桟を組み合わせたV型,A型などの配置によってさまざまに流れの構造を制御できることを見いだした.これを粗度層の流れに均質な抗力項(水の単位体積当たりの力で表現して基礎式に考慮する)を付加した流れの数値解析(k‐ε乱流モデルを適用)によって記述し,さらに桟の間隔や高さ,配置角度でどのように流れ構造を制御できるかを調べた. 一方,植生帯が横断混合を促進することに着目,この性質を利用した濁質横断除去法を考案,その機能評価のための水理学的検討をはじめた.本年は植生帯を伴う流れについて系統的な実験をはじめるとともに,遷移区間も含めた流れの特徴を表現できる数値解析の検討を行なった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 辻本哲郎・北村忠紀: "側岸部に植生群落を有する開水路流れの横断混合機構に関する実験的研究" 土木学会論文集. 491 II-27. 61-70 (1994)
-
[Publications] 辻本哲郎・清水義彦: "底面粗度の変化に対する開水路流れの構造の応答特性" 土木学会論文集. 497 II-28. 61-70 (1994)
-
[Publications] 辻本哲郎・北村忠紀・中川博次: "側岸部植生群落周辺の掃流過程と分級" 土木学会論文集. 527 II-33. 99-108 (1994)
-
[Publications] 辻本哲郎・赤城里至: "不規則継続跳躍モデルとK-ε乱流モデルを用いた飛砂の運動と風の解析" 海岸工学論文集. 41. 386-390 (1994)
-
[Publications] 辻本哲郎・清水義彦・松尾和弘: "斜め桟粗度により螺旋流制御" 水工学論文集. 39(印刷中). (1995)
-
[Publications] 辻本哲郎: "Cellular‐Motion Control by Skewed Arrangements of Strip Roughness in Open Channel" Advances in Hydro‐Science and Engineering. II(印刷中). (1995)