1994 Fiscal Year Annual Research Report
人口の地域間社会移動モデルを用いた均衡ある国土形成のための政策シミュレーション
Project/Area Number |
06650591
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
青山 吉隆 徳島大学, 工学部, 教授 (80035633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 義伸 徳島大学, 工学部, 助手 (90240887)
山中 英生 徳島大学, 工学部, 助教授 (20166755)
近藤 光男 徳島大学, 工学部, 助教授 (10145013)
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Keywords | 人口の社会移動 / 効用格差 / 交通施設整備 / 地価 / 人口移動モデル / 一極集中 / 格差是正 / シミュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)人口の社会移動のメカニズムの解明、(2)人口の社会移動モデルの作成、(3)人口の社会移動に対する政策シミュレーション、そして、(4)人口の一極集中是正、豊かな国土づくりのための方策の提案である。2年間にわたる研究期間の初年度である本年度の研究内容は、モデルのフレームワークとパラメータの推定であり、これによって人口の社会移動モデルを構築することである。本年度の成果は以下のようにまとめられる。 (1)まず最初に、都道府県間の人口の転出・転入数を基礎データとして人口移動の時系列分析を行った。その結果、地方圏から3大都市圏への移動が人口移動の大きな位置を占めていることが明らかになった。また、所得、地価、雇用など、人口の社会移動を引き起こす要因の抽出、および交通施設整備を表す指標の作成を行い、これらと人口移動の関係を解明した。その結果、これら要因の都市圏と地方圏における差は大きく、人口移動の説明要因になることがわかった。 (2)人口移動のメカニズムをモデル化した。モデルは、地域間の効用格差が人口移動を生じさせるとし、効用関数の説明変数に上で述べた人口移動の影響要因を用いた。またモデルは、操作性に富むことに重点をおき、モデルタイプは人口の社会移動量を被説明変数とする関数モデルとした。 (3)モデルのパラメータを推定し、整合性、適合性などの検討を行った。人口移動モデルは、人口移動に影響を及ぼす地価を推定する地価モデルをサブモデルとしてもっている。人口移動モデル、地価モデルとも良い精度で推定することができ、同時に両モデルに含まれるパラメータを推定することができた。
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