1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650656
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
成田 健一 広島大学, 工学部, 助教授 (20189210)
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Keywords | 都市気候 / 都市緑地 / エコロジカル・プランニング / 移流 / 顕熱フラックス / 対流熱伝達率 / 日傘効果 / 渦相関法 |
Research Abstract |
短期の集中観測を、8月1日〜3日に実施した。データ量が膨大なため、現在まだ解析途中であるが、 (1)日中の緑地と市街地との温度差は、風速に強く影響されている。 (2)緑地の風上側では、隣接する市街地からの暖気の流入の影響が顕著である。 (3)林内における瞬時の気温変動と風速との相関はそれほど明確ではない。 (4)同じ緑でも、樹林と芝地では熱的な作用は大きく異なる。 等の点が明らかとなった。 長期観測については、対象とした公園がアジア大会の駐車場として利用され、測定機器の設置許可がおりなかったこと、および日射遮蔽シェルターの性能に関する予備実験により通風の必要性が明らかとなったため、急きょ測定ポイントのすべてについて、通風ファンを稼働させるための電源工事を行うこととした等の理由で、開始時期が3月となった。 短期集中観測については、当初計画にはなかったサーモビュアーによる熱画像の連続撮影を加え、ほぼ満足しうるデータが得られた。今後、各種モデルによるシミュレーションの検証データとして有用かつ貴重なものと評価できる。長期観測については上記の理由により、当初計画よりかなり遅れての開始となったが、データの蓄積が進むことにより、緑地の熱的効果のより系統的な把握ができると思われる。特に短期の測定で温度差が風速によって大きく左右されていることが明らかとなったことから、現地での風向・風速の測定を同時に実施している本観測では、緑地効果の定量化につながる新たな成果が期待できると思われる。
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Research Products
(1 results)