1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650695
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Research Institution | SUGIYAMA JYOGAKUEN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高阪 謙次 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (30034820)
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Keywords | 身体障害者 / 居住施設 / 建築計画 |
Research Abstract |
本年度は、現地調査とヒアリングを、仙台市太白ありのまま舎、今津町清湖園、富田林市四天王寺悲田富田林苑で実施し、全国の療護施設へのアンケートによる調査を現在行っている。 (1)居室計画の方向性に関して-1)個室は障害者の場合、事故の際などの助けが得にくい等の理由で問題であるとの意見が、昨年の調査において多くの施設長から寄せられたが、全室個室のありのまま舎の施設長は「何を犠牲にし、何を選択するかの問題」であるとし、入居者、運営側ともに問題がないと答えた。2)ありのまま舎は個室の出入口側が居間・食堂に利用される共同スペースとしており、個室にありがちな孤立感を和らげている。いわゆるグループホーム的な設えである。3)清湖園は、旧来型の4人室が主体であり、中廊下は殆ど純然たる通路として使われている。そのためもあり、プライバシー、コミュニケーションの両方が半端になっており、生活のメリハリが付きにくくなっている。 (2)平面計画に関して-1)従来の殆どの療護施設は「4人室1列配置+廊下」を基本としてきた。これに新たに「個室群の共同スペース取り囲み配置」が加わってきた。後者は、グループホーム的なものだが、プライバシー、コミュニケーション、介護の三つの要請にうまく答える解となっている。今後の基本型の有力な一つになるであろう。2)寮母室の配置は、身体障害者施設の場合、入居者の居住部分より若干離れた方が、居住部分に落ちつきが出来てよい。病院のナ-スステーションや痴呆高齢者棟の寮母室の配置とは違った扱いが必要である。 (3)アンケート調査-居室の広さや機能を検証するために、居室と持ち物を中心としたアンケート調査を現在実施中である。
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