1994 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックスの超塑性変形による組織および機械的性質の変化
Project/Area Number |
06650793
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
本橋 嘉信 茨城大学, 工学部, 助教授 (00007783)
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Keywords | 超塑性 / セラミックス / 機械的性質 / ジルコニア / キャビテーション |
Research Abstract |
共沈法で作成されたY_2O_3を固溶するZrO_2微粉末およびAl_2O_3微粉末を大気中で常圧焼結し、Y-TZP(イットリア部分安定化正方晶ジルコニア多結晶体)およびY-TZP/Al_2O_3複合多結晶体を製作した。これら多結晶体から引張試験片を切り出し、大気中において、温度範囲1350〜1550℃,初期ひずみ速度10^<-4>〜10^<-2>s^<-1>の範囲で引張りおよび圧縮試験を行った。 引張り及び圧縮変形を種々のひずみ点で中断して、試験片の変形前後のかさ密度変化をアルキメデス法で、また組織変化を熱腐食させた試験片表面のSEM観察を行って調べた。そして粒界空隙の発生量,ひずみ誘起結晶成長と粒アスペクト比の変化を、変形温度,ひずみ速度,初期組織を変数として調べた。その結果、粒界空隙の変形量(ひずみ)依存性は、変形温度が低いほど,ひずみ速度が大きいほど,初期粒径が大きいほど強いことが分かった。一方、ひずみ誘起粒成長のひずみ依存性は、粒界空隙の場合とは逆の変形温度,ひずみ速度,初期粒径依存性を示した。 また、種々のひずみ点まで超塑性変形させた試験片の曲げ強さ,硬さ,破壊じん性,アイゾット衝撃値を調べた。その結果、これらの機械的性質は粒界空隙量と強い相関を示し、粒界空隙量が多いほど曲げ強さや硬さおよびアイゾット衝撃値は低下した。一方、IF法により測定した破壊じん性は上昇することが分かった。これらの結果から、粒界空隙量が1%以下であるならば、超塑性変形後の機械的性質の低下は実用上問題ないことが推定された。 次年度では、粒界空隙が1%以下になる超塑性変形条件の組合せを明らかにするとともに、超塑性変形させた試験片の高温の機械的性質(クリープ強さ,耐酸化性など)を調べる予定である。
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