1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650858
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
久保田 博信 神戸大学, 工学部, 教授 (60031077)
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Keywords | 比容積 / 高圧力 / 不凍結水 / 水 |
Research Abstract |
平成6年度に行った実験で今回作製した装置の健全性が確認された。本年度は、温度258〜273K、圧力0.1〜200MPaの不凍結水領域での水の比容積の測定を行った。得られた比容積データをTait式を用いて相関したところ、実測値を最大偏差0.02%で再現できることが分かった。その際の基準圧力を各測定温度における氷Iの融解圧力とし、氷I-水境界線上の比容積を求めた。不凍結水領域におけるPVT測定は、BridgmanとAleksandorv等によって行われている。また不凍結水領域で適応可能な状態方程式としては、A. SaulとW. Wagnerが報告した状態式(適応範囲 温度252K〜1273K、圧力0.1MPa〜25000MPa)がある。Saul等は状態方程式を開発する際に、不凍結水領域での実測値としてBridgmanとAleksandorv等のデータを用いている。今回得られた比容積データをこれらの報告値ならびに状態方程式からの計算値と比較した。273Kにおける今回の測定データとKell等およびAleksandrov等の報告値との偏差は低圧域で大きくなっており、最大で0.1%の偏差を示した。また何れの温度においても、本実験のデータは、Bridgmanの報告値よりもSaul等の状態方程式からの計算値に近い値であることが分かった。 今後圧力420MPaまで測定範囲を広げるとともに、融解曲線付近での測定を行っていきたいと考えている。また得られたデータを用いて、Tait式よりも高精度に比容積データを計算できる状態方程式の開発に取り組む予定である。
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Research Products
(1 results)