1994 Fiscal Year Annual Research Report
毛管微差圧計測システムの設計と高分子物質化学状態解析への適用
Project/Area Number |
06650933
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
森 定雄 三重大学, 工学部, 助教授 (10020421)
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Keywords | 差圧計 / 差圧粘度計 / 高分子溶液 / 分子量 / 固有粘土 / ポリスチレン |
Research Abstract |
従来我々が開発した示差圧毛管粘度計は4本の毛管を用いる方式で、システムは複雑であった。今回は2本の同じ長さの毛管(内径0.5mm,長さ40cm)を用い、一方は移動相のみ、他方には試料溶液と移動相が流れるように設計し、それぞれの毛管の両端に差圧計を接続した。送液ポンプにより移動相溶媒を送液し、その作動状況を調べた。その結果、各毛管の差圧(圧力損失)はポンプ脈流に連動し、かなりのイズを示した。一方、両毛管の圧力損失の差をとり、それを増幅した場合、ポンプ脈流に基づくノイズは消去され、スムーズなベースラインとなった。濃度の異なるポリスチレン溶液を調製し、システムに注入してその作動状況を調べた。濃度に応じてピークが大きくなり、試料濃度に連動して応答することが確かめられた。ここでは試料注入量は0.5mlであったが、ピークの形状はガウス分布となり、ピーク高さは必ずしも濃度の情報を表わしていないようであった。そこで試料ループバルブの容積を種々に変更して台形のピークが得られるよう調べたところ、2.5mlで台形のピークが得られることが分った。そこでループ容積を3mlとし、以後の測定に供した。次に分子量の異なるポリスチレンについて、5〜8種類の濃度の異なる溶液をそれぞれ調製し、差圧を測定し、差圧と濃度の関係から固有粘度を求めた。分子量分布の狭いポリスチレンについても同様に測定し、Mark-Howwink-Sakuradeの式を計算した。この係数、指数を先に得られた各ポリスチレンの固有粘度にあてはめて分子量を求めたところ、それぞれのポリスチレンの数平均分子量、重量平均分子量の間に位置し、合理性のある測定結果であることを確認した。またこれらの固有粘度を文献値とも比較し、より一致を得た。
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