1995 Fiscal Year Annual Research Report
毛管微差圧計測システムの設計と高分子物質化学状態解析への適用
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06650933
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Research Institution | MIE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森 定雄 三重大学, 工学部, 助教授 (10020421)
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Keywords | 差圧計 / 差圧粘度計 / 高分子溶液 / 分子量 / 固有粘度 / ポリスチレン / ポリ塩化ビニル / ポリスチレンスルホン酸ナトリウム |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、ポリ塩化ビニルについて固有粘度の測定を実施した。ガラス毛管粘度計を用いる場合、0.1〜0.5%濃度の試料溶液を作成し、そのまま測定することが多い。今回サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)の知識をもとに試料ろ過をしたところ、粘性が著しく高くなり、ろ過が不可能であった。そこで試料濃度をそれぞれ1/10とし、すなわち0.01〜0.05%濃度の試料を調製し、ろ過を試みたところ、いずれも良好なろ過が可能であった。これらの試料溶液を用いて固有粘度を測定したところ、文献値をよい一致をみた。これを基にMark‐Houwink‐Sakuradaの式を計算し、その係数、指数を得た。このような低い濃度の試料溶液の固有粘度測定は今回開発した示差圧毛管粘度計によってはじめて可能になったものである。つぎに溶媒を水に切り替え、イオン性高分子であるポリスチレンスルホン酸ナトリウム(NaPSS)について同様に固有粘度を測定し、ウベロ-デ粘度計の結果と比較した。両者で同様な結果が得られたが、試作粘度計の方が測定時間、試料溶液量、測定精度いずれも優れていることが確認できた。この計測システムをSECシステムと接続し、ポリスチレンの分子量測定に適用を試みた。この計測システムでは経路にピーク広がりの原因となる要因が2ケ所あり、これを取り除くことが必要であった。この変更を取り入れることにより、スムースな測定が可能になり、これを用いて分子量測定を実施することにより、相対法と比較して遜色のない測定値が得られた。本計測システムはSEC分子量検出器として使用できることが分かった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sadao Mori: "Size‐Exclusion Chromatography and Nonexclusion Liquid Chromatography for Characterization of Styrene Copolymers" Advances of Chemistry Series. 247. 211-222 (1995)
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[Publications] Sadao Mori: "Design of a Capillary Viscometer System for the Determination of Polymer Solution Viscosity" International Journal of Polymer Analysis and Characterization. (in press).