1994 Fiscal Year Annual Research Report
磁気共鳴法による多孔質シリカに吸着した高分子鎖の構造と分子運動に関する研究
Project/Area Number |
06651048
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
嶋田 繁隆 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (20024309)
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Keywords | 単分散ポリスチレン / 多孔質シリカ / 吸着 / シリカとの相互作用 / グラフト化 / ポリエチレンオキサイド / 分子運動 / 電子スピン共鳴法 |
Research Abstract |
電子スピン共鳴法(ESR)により、ポリスチレンの分子運動を観測する為、分子量3千、9万6千、70万の単分散ポリスチレンに低濃度で磁気分子をラベルした。そのラベル化ポリスチレンを孔径の異なる(小穴直径:約、30nm(MB-300),100nm,200nm)三種の多孔質シリカに吸着させた。これらの吸着したラベル化ポリスチレン鎖のESRスペクトルを測定温度を変化させたところ、次の様な事実が明らかとなった。ラベル分子の窒素原子による超微細構造の大きさとその異方性の平均化により、シリカとポリスチレンの相互作用の大きさ及び吸着ポリスチレンの分子運動の速さを評価できた。 (1)ポリスチレン高分子の慣性半径の2倍が小穴直径より、小さい場合、容易にその細孔内に拡散し、シリカに非常に強く吸着された形態をとり、分子運動転移点もポリスチレンバルク試料に比し相当に高温となる。 (2)慣性半径の大きい、分子量70万のポリスチレンの吸着形態、吸着鎖の分子運動はシリカの孔径依存性が非常に大きく観測された。また吸着時に用いる溶媒依存性も観測された。例えば、Θ溶媒であるシクロヘキサン中で分子量70万のポリスチレンの慣性半径の2倍はシリカゲル、MB-300の小穴直径30nmよりわずかに大きいがこの系で、ポリスチレンの顕著な吸着依存性が見いだされた。即ち、短時間では小穴の入口で弱く吸着されているが時間の増大と共に小穴の中に拡散し、シリカとの相互作用を強め、分子運動の速さも遅くなることが明らかとなった。 (3)多孔質シリカにポリエチレンオキサイドをグラフト化させ、同様にポリスチレンを吸着させた。グラフト鎖に吸着したポリスチレン鎖は異常に速い分子運動の速さを示した。
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Research Products
(1 results)