1994 Fiscal Year Annual Research Report
茎頂培養によるユリのウイルスフリー子球の獲得は可能か否か
Project/Area Number |
06660030
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
新美 芳二 新潟大学, 農学部, 教授 (20018790)
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Keywords | ユリウイルス / LSV / TBV-L / CMV / 茎頂培養 / 簡易茎頂培養 / DIBA法 / ELISA法 |
Research Abstract |
(1)DIBA法とELISA法を使い、ユリウイルスの存否を調べた。前者は後者に比べ簡便で、比較的短時間で出来ることから実用的といえる。検出感度は前者は後者と比べやや劣るが、検査試料の希釈倍率が10〜100倍の範囲であれば後者と同様にウイルスの存否を確認できた。ウイルス検出を一層正確に行うため、検査試料をセルラーゼ処理してDIBA法とELISA法で検出してみたところ、後者の方法で検出感度がやや向上したが、前者の方法では処理と未処理の間で大きな差はなかった。 (2)DIBA法を用いて新潟県で栽培されているユリのウイルス感染の実態調査を行った。一部のユリを除いてほとんどのユリがLSV(ユリ潜在ウイルス)に感染し、LSVと他のウイルスとの重複感染により植物の生育が著しく阻害されることがわかった。 (3)茎頂培養及び簡易茎頂培養法(りん片培養して10〜20日頃に観察される発達中の不定芽摘出する方法)で、ウイルスの除去を試みた。後者の方法は茎頂培養法より短時間で頂端分裂組織を摘出でき、且つウイルスフリーと思われる個体(DIBA法で陰性反応を示す個体)を得ることができた。また、ウイルス除去率はユリ品種とウイルスの種類(LSV、TBV-L、CMV)によって異なった。 (4)試験管内で生育した子球のうち、DIBA法で各ウイルスに対して陰性反応を示した個体を防虫網をかけたほ場で栽培したあと再度検査した。試験管内で陰性反応を示した個体は圃場で採取したりん片葉での検査でもすべて陰性反応を示した。一方、試験管内で陽性を示した個体は、試験管内で検出できなかったウイルスが検出されたり、逆に検出されたウイルスが栽培後には検出されなくなった場合もあった。
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