1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660126
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野本 信也 筑波大学, 化学系, 講師 (30133028)
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Keywords | 燃焼炎 / ラジカル反応 / 二量化反応 / ラジカルスカベンジャー / スルホキシド |
Research Abstract |
本年度は、炎水界面反応による飽和有機化合物の二量化反応を行った。アルキル基から生じる炭素ラジカル同士の二量化反応については、酢酸、2、2-ジメチルプロピオン酸、メチルアミン、t-ブチルアミンを原料として実験を行い、10-20%程度の収率で反応系内に二量体が生成していることをガスクロマトグラフで確認した。収率の向上を目指して基礎実験を進めた結果、ラジカルスカベンヂャ-として系内に添加しているギ酸の濃度を従来の条件(30%)より低くし、基質の濃度は従来の条件(1M)より高くした方が高収率で二量体が生成した。 この型の反応では、水酸ラジカルに引き抜かれる水素原子が全て等価な分子を用いるのが反応を複雑にしないポイントであるが、あえて非等価な水素原子を有する化合物(プロピオン酸)を用いて生じる生成物の分析を行った。この反応では3種の生成物が期待できるが、予想どうり2、3-ジメチルコハク酸が主生成物で次いで2-メチルグルタル酸が少量生成しアジピン酸は僅かであった。この結果により本反応は、水酸ラジカルが基質のプロトンの内、結果としてより安定な炭素ラジカルを生成するプロトンを引き抜き、次いで生じたラジカル同士がカップリングする機構で進行することがわかった。 スルホキシドの解裂により生成する炭素ラジカル同士の二量化反応については、S-メチルシステイン・スルホキシド、メチオニン・スルホキシドを用いて反応を行い、10%程度の収率で二量体(2、5-ジアミノアジピン酸、2、7-ジアミノスベリン酸)が生成することをアミノ酸分析計で確認した。
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