1995 Fiscal Year Annual Research Report
健康・傷害に対する建築用木質材料の特性-学校及び高齢者用施設に注目して
Project/Area Number |
06660218
|
Research Institution | KUMAMOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大迫 靖雄 熊本大学, 教育学部, 教授 (50040043)
|
Keywords | 学校施設・設備 / 高齢者用施設・設備 / 木質環境 / 対物傷害 / 健康 / 技術教室 / 室内環境 / 心理量 |
Research Abstract |
本研究では、研究代表者が既に行ってきた学校施設・設備の材料構成と居住性に関する研究を基に、施設居住者の居住性に特に注目する必要があると考えられる学校及び高齢者用施設・設備とこれらの使用者の安全性及び健康との関係を検討した。まず、本研究では、それらの施設・設備を構成する材料、特に、木材に注目した検討として、平成6年度は、学校施設で発生した傷害を分析するため、昭和63年度に熊本県の全小・中学校で発生し、「学校体育、学校保健センター」に申請された約4千件の傷害の発生場所、傷害の種類、発生状況などのデータを保存した。さらに、これらのデータのうち、施設・設備と関連する傷害(対物傷害)について、種々の分析を行い、学校教育で発生する傷害の実態を明らかにした。引き続いて、学校施設・設備のうち、生徒の健康や安全性と関係すると考えられる室内環境(温湿度、騒音粉塵、照度など)を、特に、居住条件が悪いと考えられる中学校の技術教室に焦点を合わせて測定し、それらの測定値と室内を構成する材料との関係を検討した。これらの結果を基にして、室内を構成する材料に注目した適正な学校施設・設備について提案した。平成8年度は、アンケート及び聞き取り調査によって、高齢者用施設における木材の利用状況、利用の展望、施設における傷害等の実態を明らかにした。さらに、学校施設及び高齢者施設における室内環境の測定結果とPOMSを用いた各施設居住者の心理量の測定結果を基にして、施設の構成材料との関係について検討を加えた。また、平成8年度の高齢者施設・設備に関する調査結果を基にして、高齢者用設備の開発を現在行っているが、これらについては、今後、さらに検討して行く予定である。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 大迫靖雄他: "技術科教育における安全対策に関する研究(I)技術科教育に関連した傷害の状況" 熊本大学教育学部紀要. 43. 99-107 (1994)
-
[Publications] 大迫靖雄: "木材の材質特性にかかわる生物的要素" PASSION. 14. 10-13 (1994)
-
[Publications] 大迫靖雄(分担執筆): "木材居住環境ハンドブック" 朝倉書店, 488 (1995)
-
[Publications] 大迫靖雄(分担執筆): "素晴らしい木の世界" 日本木材学会(海青社), 103 (1995)