1994 Fiscal Year Annual Research Report
コイ科魚類の生殖腺刺激ホルモン遺伝子の構造解析と発現調節機構の解明
Project/Area Number |
06660229
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 牧人 東京大学, 農学部, 助手 (30183809)
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Keywords | キンギョ / 生殖腺刺激ホルモン遺伝子 / cDNAクローニング / 魚類生殖内分泌 |
Research Abstract |
魚類の生殖内分泌系は、他の背椎動物同様、視床下部-下垂体-生殖腺系に強く支配されている。このうち下垂体で産生される生殖腺刺激ホルモン(GTH)は、従来魚類では1種類であると考えられていたが、近年サケ科魚類等において2種類のGTHが単離され、新しく同定されたものをGTH I型、従来からのものをGTH II型と呼んでいる。コイ科魚類の多くは、魚類の生殖内分泌研究においてモデル魚種として古くから利用されているが、下垂体GTHの動態についてはまだ不明な点が多い。 下垂体でのGTHの合成量、すなわちGTH遺伝子の発現量を調べるにはGTHcDNAプローブが必要である。そこで平成6年度は、キンギョの下垂体からGTH遺伝子のクローニングを行なった。GTH分子はIおよびIIに共通なα鎖および2種類のどちらかのβ鎖(GTH IはIβ、GTH IIはIIβ)からなることが知られているが、以下の方法によりキンギョGTHα鎖およびβ鎖のcDNAを得た。 キンギョ下垂体からmRNAを抽出し、cDNAを合成した。得られたcDNAをファージベクターに組込み、cDNAライブラリーを作製した。サケ科魚類のα鎖およびβ鎖の塩基配列をもとにプライマーを合成し、PCR反応によりcDNAライブラリーからキンギョGTHcDNAを増幅した。増幅されたキンギョGTHcDNAをプラスミドベクターにサブクローニングした後、キンギョGTHα鎖、Iβ鎖およびIIβ鎖のcDNAの塩基配列の決定を行なった。
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